比較枠について
こんにちは。
今日は毎年のように選抜の選考で物議を醸す比較枠について書いていこうかと思います。
・比較枠とは
2地区間で争われる選抜の枠のこと
関東・東京と中国・四国に1枠存在する
北海道・東北や北信越・東海も過去導入
まず2地区が比較枠を争う学校を選出
→その2校で比較検討される
・比較枠導入の経緯
かつては関東5・東京2と独立して枠配分
→21世紀枠や神宮枠などの新枠導入
→流石に両地区から削ると角が立つ
→比較枠を設置し1枠削減に落ち着く
※中国・四国も同様(元々3枠ずつ)
比較枠は他枠との兼ね合いで生じた枠なので、決して本意で作られたものではありません。それもあってかマイナスなイメージを抱く人も多く、選考における問題点の一つにもなっています。ここからはその問題点について一つずつ見ていきたいと思います。
①選出の偏りが目立つ
そもそも比較枠のシステム上「平等に選出する」事自体難しいのですが、その前提があっても偏りが大きいという問題があります。
過去の中国・四国の比較枠を○×で示した表ですが、中国の○が14に対して四国の○が僅か2のみ。2014年以降は中国が連続して比較枠を獲得しています。ではなぜ中国にここまで偏るのでしょうか。
理由①県数の差
理由②1位校数の差
理由③地区大会の試合数の差
理由④地域性の差
一番の理由は①にあるように中国の方が四国より県数が1多いので、中国3四国2の枠の割合だとバランスが良いですよね。②と④は①の内容から派生する理由になっています。比較枠を得るには県順位や地域性が肝となってくるので、単純に県数の多い方が候補に好条件の学校が残りやすくなります。
そして極めつけは③です。四国大会は1位校にシードが与えられており(準々決勝が初戦)、比較枠の候補となる学校は準決勝敗退が大半なので大会1勝止まりの学校が候補になるケースが多いです。2位、3位校なら準決勝敗退でも大会2勝となるのですが、それだと県順位の比較で不利になる可能性が高いです。一方で中国はシードがなく比較枠の候補となる準決勝まで県順位に関係なく2勝が必要なので、戦績の部分において四国の候補よりも優位に立ちやすいと言えます。
これでも結果が伴っていればそこまで批判は多くないと思うのですが、表の通り中国の比較枠選出校は初戦敗退が目立ちます。ましてや比較枠で落とされるのは四国の実力校(明徳義塾など)という事も制度に対する風当たりが強い理由になっています。
②地区大会と都大会の比較が困難
次に関東・東京の比較枠についてですが、中国・四国のような極端な偏りはありません。しかし、東京大会は地区大会ではなく都内で完結してしまうので関東大会に出場する高校との比較を難しくしています。関東他県すれば「うちは県決勝進出+関東1勝なのに」となるのは当然の話で、その点を踏まえるとよほど関東と東京の試合内容に差がない限りは関東に比較枠が与えられても良いのでは?と個人的に思います。
以上が関東・東京の比較枠の表です。特徴として近年の関東の比較代表は神奈川勢の名前が多いですね。来年は横浜が予想されるため、ここ10年で半数を神奈川が占めるということになります。一方で東京は今年も含め二松学舎の準優勝が多い事から比較される機会が目立ちます。通算の比較枠獲得数は関東13回、東京7回とバランスは取れていますね。
しかし、バランスは取れていても時に「今年は東京(関東)じゃないのか…」と思ってしまうようなケースがあります。世間的に反響が特に大きかったのは2019年の選考ですね。
・2019年の選考
関東準々決勝(敗れた4校は県1位)
前橋育英1-9山梨学院(コールド)
※甲府は関東大会0勝
横浜2-9春日部共栄(コールド)
東京決勝
関東大会の準々決勝は大荒れで2試合がコールド。スーパーシードの東海大甲府も未勝利に終わり関東5枠目争いが難航。そして優勝した桐蔭学園に県大会で圧勝している横浜に白羽の矢が立ちました。地域性で佐野日大という人もいましたがここは実力差で判断したと思われます。
ただ関東5枠目がどこになっても決め手に欠けるため、東京決勝が終了した時点で「比較枠は東海大菅生だろう」という声が大半でした。しかし結果として横浜が史上初となる関東大会8強のコールド負け選出となりました。関東と東京のレベル差、エース及川の力量など成績のマイナス面を補う相応の理由付けがなされたとはいえ前例のない選考となりました。
それでも甲子園で結果を残せたら見立て通りとなり批判も抑えられたはずです。2010年の日大三が東京4強からの選出で選抜準優勝となったように横浜も期待されましたが初戦で明豊に13失点の大敗。そうなると選考への批判が再燃してしまい比較枠への疑問が噴出することとなりました。
また、今年の二松学舎も初戦で聖光学院に9-3の大敗。比較相手が前年度優勝校である東海大相模だった事もあり落胆も大きなものとなりました。表にもあるように比較枠の初戦勝率が近年下がっているので、○○の方を選んでおけば…となる年が増えていることも比較枠への批判に繋がっています。
次回は富山の推薦校が発表されたら北信越と関東の地区推薦予想記事を書いていきたいと思います。
記念大会の増枠について
こんにちは。
21世紀枠の残りの地区については神奈川と富山が推薦校未発表(北海道は12月に発表)なので、また後日記事にします。
今日は記念大会の増枠についてです。もう知ってる方も多いかと思いますが、来年は95回大会という事で5の倍数が記念大会と定義されています。通常の選抜大会は計32枠ですが、記念大会では増枠される地区があり今回は東北・関東・東海・四国がその対象となっています。
・2023年の選抜枠数
北海道 1
東北 2→3
北信越 2
関東 4→5
東京 1
※関東&東京の比較枠 1
東海 2→3
近畿 6
中国 2
四国 2→3
※中国&四国の比較枠 1
九州 4
21世紀枠 3
神宮枠 1
これで2枠の地区が北信越のみとなり、東北・東海・四国は地区大会4強でも選出の可能性が残るというのは嬉しいですね。関東に関しては2008年以来となる一般枠6が現実味を帯びています。
・増枠の理由①
東北→2県1枠を満たしていない
今夏の活躍もあり増枠の機運が高まっていた東北。なので増枠自体は誰しもが納得したと思いますが理由が引っかかります。普通に近年活躍しているからとかで良かったと思うのですが北信越も上記の条件を満たしている訳でして。そこはもう少し説明の仕様があったのでは…と感じます。
・増枠の理由②
選抜で上位進出校が多い地区を精査
過去10回の選抜4強の回数>枠数の地区
北海道× 1回=1枠
東北× 1回<2枠
関東○ 8回>4枠
東京○ 2回>1枠
北信越× 2回=2枠
東海○ 4回>2枠
近畿○ 15回>6枠
中国× 0回<2枠
四国○ 3回>2枠
九州× 4回=4枠
→県数=枠数の東京・近畿は増枠対象外
→残る関東・東海・四国が増枠
東北の増枠が決定した後に話し合われたのは「ここ10回の選抜大会において4強入りした校数が枠数を上回る地区を増枠対象にする」という内容です。2020年の選抜が中止になっているので2012年~2022年までの選抜が対象になりますね。そして条件に当てはまった地区の中で東京と近畿は既に枠数が十分(そもそも東京は増やしようがない)と判断され、残る3地区の増枠が決まりました。
次に各地区の過去の4強入りについて。
・北海道
2015 東海大四
大沢投手の力投が懐かしいですね。東海大札幌になってからは甲子園未出場なのもありこちらの校名がしっくりくる人もいるのではと思います。他年度では2013年の北照が8強入りしましたが惜しくも増枠対象とはならず。
・東北
2012 光星学院
意外にも選抜に関して上位進出から遠のいている状況。2009年には利府・花巻東の2校が4強入り、2012年は光星学院が2年連続で選抜決勝進出と盛り上がりましたね。成績的には増枠対象に入らなかったので来年の東北勢に期待したいところです。
・関東
2012 健大高崎
2013 浦和学院
2014 佐野日大
2015 浦和学院
2018 東海大相模
2019 習志野
2021 東海大相模
2022 浦和学院
やはり浦和学院&東海大相模が要ですね。この2校の出場可否が関東勢の運命を握っていると言っても過言ではないです。一方で山梨と茨城はここに名前が残らず。近年の関東大会で躍進する山梨学院や明秀日立が甲子園でも目立てるか注目していきたいです。
・東京
2012 関東一
2022 國學院久我山
前回の選抜優勝から早30年。日大三の活躍が光る夏と比べると成績が伸び悩んでいる印象が強いですね。2013~2019年までは8強入りも無く、比較枠も関東勢の方が…という感じでしたが昨年に東海大菅生が8強。今年に國學院久我山が4強と持ち直しつつあります。
・北信越
2013 敦賀気比
2015 敦賀気比
2枠から唯一脱却できなかった北信越は敦賀気比が大活躍。2015年の平沼投手は神がかり的な5試合連続完投で北信越に久々の優勝旗をもたらしました。個人的には奥川投手がいた時の星稜が早期敗退となってしまったのが悔やまれます。
・東海
2014 豊川
2018 三重
2019 東邦
2021 中京大中京
2014年の豊川は春夏初出場で快進撃。2018年の三重は東海3枠目での出場で大阪桐蔭を追い詰めた試合が印象的ですね。残る名門2校は流石の活躍でしたが、中止となった2020年の中京大中京は神宮王者だったこともあり勿体なさを感じます。
・近畿
2012 大阪桐蔭
2015 大阪桐蔭
2019 明石商
2021 天理
2022 大阪桐蔭 近江
言うまでもなく最強地区。ここ10回で優勝6回、準優勝4回という事で決勝戦の述べ20校の半数は近畿勢という状況です。県数の関係上、増枠は叶わなかったものの来年は甲子園優勝経験のある学校が少なくとも4校登場。「近畿王朝」を崩せる学校は出てくるでしょうか。
・中国
※2010年の広陵以降8強入り無し
増枠対象の4強入りどころか8強すら遠い中国。今年期待された広陵も激戦の山を勝ち切れず全国の壁が厚いですね。何より四国との比較枠をほぼ勝ち取っていて成績がついてこないのがもどかしいです。
・四国
2013 高知 済美
2016 高松商
2校が4強入りを果たした2013年が対象となった事もあり何とか増枠。高松商の準優勝もあったとはいえ、かつての四国にはまだまだ程遠い状態でしょうか。四国の中軸である明徳義塾も2014年以降の選抜は1勝4敗と苦戦中で、中国同様に「突き抜ける」学校の登場が待たれます。
・九州
2016 秀岳館
2017 秀岳館
2019 明豊
2021 明豊
秀岳館と明豊で増枠一歩手前までこぎ着けるも及ばず。この期間で福岡勢は準々決勝4連敗と「後1勝」を何度も逃してきたのが響きましたね。かつての上位常連、鹿児島と沖縄の復活も待たれる所です。もっとも今後増枠になったら結構揉めるだろうな…とは思います。
次回は比較枠について思うことを書いていこうかと思います。
21世紀枠地区推薦予想(東北/東海/九州)
こんにちは。
先日の続きです。
東北 ◎田村 ○由利 ▲青森商
東北推薦を超えて最終3枠に残る学校としても由利と予想する人が多いかと思いますが個人的には田村を推します。というのも由利と同じ市(由利本荘市)の学校である由利工が2018年に21世紀枠での出場を果たしており、戦績は申し分ないのですがそこが引っかかります。仮に問題なしと判断されるなら由利が本命となるのは間違いないです。
田村を本命にしたのは地域柄+戦績の組み合わせ、福島がこれまで21世紀枠に強い側面を持っていることなどですね。2年前の磐城、今年の只見と推薦過多ではありますがそれだけ学校アピールに長けているという事でもあります。懸念としては体育科の存在でしょうか。
また東北推薦は「福島以外の東北大会未進出校から選ばれたことがない」という特徴があり、その流れを汲むと由利と田村の一騎打ちになります。青森商を入れているのは、一関二→過去に21世紀枠として一関一が選出されている。仙台三→一般枠で宮城2校の選出がほぼ確定している。九里学園→私立という点を差し引いて考えたのが理由です。
東海 ◎木本 ○岐阜 ▲刈谷
岐阜と刈谷は県内有数の進学校である点や最後の甲子園出場が1978年の選抜であることも共通しています。その2校を差し置いて木本を本命としたのは、甲子園未出場/来年の選抜で三重からの選出0が濃厚/過疎地域+少人数で好成績という面の評価ですね。2つ目の理由に関しては、近年の東海推薦は一般枠での選出県と被らない傾向にあります。そうなると記念大会の来年は三重以外の3県の一般枠選出が濃厚=木本が推薦されるという予想に繋がります。
次に岐阜と刈谷の違いですが、若干岐阜の方が好成績であること/大会初年度の予選(1915年)から参加する数少ない皆勤校であるのが岐阜の強みです。いわゆる各県に存在する旧制一中(戦前からエリート)に分類される名門校ですね。刈谷は激戦区愛知で度々上位に食い込んでくる実力校で、昨年のエース遠藤投手はプロ入りが噂されていたりと話題性も高い学校です。本命ではないですがこの2校も最終3枠に残れる可能性を秘めていると思います。裏を返せばどこが推薦されても(知徳は私立なので恐らくない)最後に落選したら勿体無いなと個人的には感じます。
九州 ◎高鍋 ○熊本商 ▲沖縄工
今回の九州推薦はどの地区よりも予想が難しくなると思います。というのも過去の九州推薦で「九州大会に出場していない」学校は大島と本部の2校のみ。よって出場校がかなり有利という流れなら高鍋か鳥栖の二択で問題ないかと思います。しかしこの2校に共通しているのは前回の甲子園出場からそこまで経っていないという点であり、いくら好成績でも30年以内に出たとなると避けられてもおかしくはないです。
そこで2校を比較し、県大会を通じ投手力の高さが際立った高鍋を本命とし出場ブランクがより短い鳥栖を候補から外しました。流石に2000年以降に甲子園に出場している学校はまだ厳しいかな(21世紀枠という名前ですし)という判断です。
残る6校の中で私立の九州文化学園、近大福岡を除いた4校はほぼ評価が横一線だと思うので区別するのが難しいです。そこで伝統校である熊本商を対抗、その次を特色から沖縄工にしています。
残りは関東と北信越ですがまだ推薦未発表の県があるので、全て揃ってから記事にしたいと思います。
21世紀枠地区推薦予想(近畿/中国/四国)
こんにちは。
各都道府県で21世紀枠の推薦校が発表されていますね。今日から地区内で推薦校が揃ったところからデータをまとめ、地区推薦校がどこになるのかを予想してみたいと思います。
※前置き
21世紀枠なので本来は学校評価をメインに地区推薦を決めていくのですが、ここでは戦績や過去の推薦の流れを重んじて予想していきますのでご了承ください。
近畿 ◎小野 ○宮天丹緑連合 ▲水口東
近畿で小野を本命にしたのは文武両道というのもあるのですが、県大会で強豪相手に安定した試合を重ねた実力的な部分を評価しています。近年の近畿推薦校は「敗れた試合が破綻してない」高校が多く、候補の中だと小野が最も適していると思います。
連合は平安へのコールド負けをどう見るか。過疎地における近年の統合で誕生した2校が連合となる異色のチームで快進撃というのはインパクトがありますね。水口東もコールド負けは気になりますが、小野と同様に甲子園にあと一歩届かない文武両道校です。
ほんとは一般枠0かもしれない奈良の生駒も候補上位かなと思いましたが試合内容的に厳しいかなと。
中国推薦は元々、島根の選出が非常に多い(一般枠0が続いている)ので今回も三刀屋と予想。好成績に加え過去に雲南市からの選出が無く被らない点も大きいかなと思っています。昨年の中国推薦校の倉吉は成績こそ落としたものの学校評価は健在だろうという事で対抗に。
神辺旭は敗れた2試合が大味(●0-15広島新庄/●4-14おかやま山陽)なのと体育科の存在をどう見られるかですね。中国大会で1勝していたら…とは思います。光は一般枠との重複を避ける為に回避すると思われます。
四国 ◎城東 ○須崎総合 ▲高松北
城東は3年前の四国推薦校ということもあり学校評価が高く、かつ文武両道&候補最上位の成績と好材料が揃っています。いかにも21世紀枠っぽい学校ですね。須崎総合は統合により3年前に誕生した学校で、統合前の流れを汲み普通科と工業科を兼備。
高松北は城東と似た特色で今回で5度目の推薦と高野連の最推しなのですが、一般枠で香川2校が濃厚なので避けられる可能性も。松山商は選ばれたら全国でも一番インパクトのある学校でしょうけど、近年の好成績から自力での出場を期待するという流れとなりそうです。
2023年の選抜予想(+戦績まとめ)東京&神宮枠編
こんにちは。
選抜予想の続きになります。
21世紀枠については次記事になります。
東京(1~2枠)
◎東海大菅生(東京優勝)
▲二松学舎大附(東京準優勝)
△日大三(東京ベスト4)
東海大菅生の準決勝と決勝の2試合の内容をどう評するかによって意見が分かれるところだと思います。この2試合だけ切り取れば日大三>二松学舎になるのも理解できますが、準決勝までの試合内容はほぼ互角。更に二松学舎は選考にとって肝となる準決勝で帝京に序盤から優位を取る展開で快勝しています。この事から決勝の内容にマイナスがあったとしても二松学舎>日大三に収まると予想します。過去、ベスト4から東京2枠目となった事例だともう少し大差がついていたというのもありますね。
比較枠(関東/東京で1枠)
○横浜
▲二松学舎大附
△昌平
毎年激論が交わされている比較枠。先程、東京2枠目を二松学舎と予想しているのでそれを前提に予想していきます。まず関東6校目なのですが恐らく横浜で固いと思います。作新学院が5枠目濃厚なので、残された中だと山村学園はコールド負け+県3位なので脱落。昌平に関してはスーパーシードの初戦敗退はほぼ落とされているので同様に脱落かもしれません。しかし、横浜と比較した時に県順位で互角なのと地域性では有利という事もありあえて予想に残しています(甲子園未出場という点も含め)。
次に二松学舎サイドから比較枠を考えていくと、やはり決勝のスコアが重く響いてくるかと思います。継投で戦える強みはあるものの終始押される展開というのは投手力の評価を下げかねません。横浜も敗れた試合は健大高崎に5失点でしたが終盤まで同点だったので「敗れた試合でどう戦ったか」の差は大きいと感じます。
後、二松学舎の現世代には関係ない事かもしれませんが昨年も準優勝で選出され初戦で大敗したという点を選考委員がどう受け止めているか気になります。ましてやその前年に選抜を制した東海大相模との比較で選出したという経緯があるだけに、今回は関東でという考えに至ってもおかしくないと思います。ちなみにこれまで2年連続で東京準優勝or関東ベスト8の同一校が選出されたことはありません(比較枠導入後)。
しかし、横浜にも不利な要素が有り「関東地区は既に増枠を受けている」という点です。通常ですと関東は4枠→今回は増枠されて5枠→そこに比較枠が合わさると6枠となる訳ですが、選考の際に「枠配分のバランス」というのは意識される要素の一つになっています。つまり、東京1枠にしてまで関東6枠にするという為にはその点を上書きできるような相応の理由が必要になってくるのではないかという持論です。
以上のことを踏まえ総合的に考えると、横浜が比較枠を得る可能性の方がやや高いかな?ぐらいに思っています。
神宮枠(補欠序列)
候補1が当選なら候補2→候補3→候補4
神宮枠有力候補
北海道 ◎北海
関東 ◎横浜 △昌平
東海 ◎加藤学園
近畿 ○高田商 ▲履正社
中国 ○鳥取城北 ▲光
四国 ○高知 ▲鳴門
九州 ○西日本短大附 ▲明豊
地区別に説明していきます。
北海道…準優勝の北海で決まり。
東北/近畿/中国/四国…一般枠との組み合わせで両校とも選ばれる事が濃厚なのでどちらが神宮枠でも影響はない。
北信越…ベスト4の2校で福井商は福井3校目の選出を避ける為に除外。そうなると松商学園で確定する。
関東…ほぼ横浜だと思うが地域性で昌平となる可能性も0ではなさそうなので残し。
東京…個人的に東京2校目は二松学舎と思っているので日大三より上の立ち位置に。
東海…常葉菊川が確定してるので地域性がやや不安だが試合内容が良好な加藤学園で決まりか。ベスト8の三重勢が対抗馬としては微妙なのもある。
九州…「神宮枠として」一番揉めそうなのはこの地区かもしれない。沖縄尚学が神宮枠を持ってくる前提なので、直接戦って1点差の惜敗だった明豊。対して福岡1位+地域制で明豊より有利な西日本短大附。この2校は甲乙つけがたいが仮に明豊になると九州勢が8県5枠ながら長崎2大分2沖縄1というかなり偏った構成になってしまうので、ここは地域性が優位に働いて西日本短大附になると予想。
次回からは21世紀枠の予想をしていきます。
2023年の選抜予想(+戦績まとめ)西日本編
こんにちは。
前回の記事の続きです。
近畿(6枠)
◎大阪桐蔭(大阪1位)
◎報徳学園(兵庫1位)
◎龍谷大平安(京都3位)
◎智辯和歌山(和歌山1位)
◎彦根総合(滋賀1位)
○履正社(大阪2位)
▲高田商(奈良2位)
△社(兵庫3位)
ベスト4はいずれも春夏甲子園優勝校。昨秋のように圧倒的でなくても勝ち切った大阪桐蔭、僅差で競り合った報徳学園と龍谷大平安。激戦の山から2勝した智辯和歌山と来年が楽しみですね。5枠目は彦根総合で濃厚で春夏初出場となりそう。序盤は大阪桐蔭からリードを取る展開を見せ、地域性や県順位なども含め外れる要素はなさそうです。
6枠目は人によって意見の分かれるところで、府大会から強豪を圧倒し続けた履正社が実力的には文句なし。対して高田商は地域性での分がありますね。5枠目が彦根総合となると選出0は奈良だけになり、高田商が選ばれたら2府4県で6校が漏れなく選ばれる事と公立校である事が大きいといえます。後者に関しては社も公立校ではあるものの、地域性+試合内容(コールド負け)で高田商を上回る可能性は低そうです。なので履正社と高田商の一騎打ちの様相ですが個人的には履正社を推します。
補欠1位は高田商、補欠2位は社で落ち着きそうですが大阪桐蔭に初戦で善戦し県大会で社を下している神戸国際大附の可能性もありそうです。
中国(2~3枠)
◎広陵(広島1位)
○光(山口3位)
広島開催ながら広陵以外の広島勢3校が初戦敗退。その中で広陵が投打で圧倒し見事に優勝。中国地区はまだ神宮大会の優勝がないものの今チームの広陵も初優勝が期待できそうです。そして準優勝の光が2枠目…とはいかず決勝で13失点の完封負け。同じく広陵相手に6-8の惜敗だった鳥取城北との比較が注目されますね。
光は県大会で宇部鴻城にコールド負けを喫してますが、これは過密日程の中でエースを温存し3位決定戦に備える作戦の可能性が高く中国大会もエースが4完投。この点を選考委員がどう見るかですね。選抜は未出場で公立校という事も踏まえて選出自体はほぼ確実だと思いますが、3枠目(比較枠)という可能性は少なからずありそうです。
補欠1位は高川学園、補欠2位はベスト8で敗退した岡山3校の中で1位通過のおかやま山陽か試合内容が良好な創志学園のどちらかでしょうか。
四国(3~4枠)
◎英明(香川1位)
◎高松商(香川2位)
○鳴門(徳島1位)
▲高知(高知2位)
まず中国地区との比較枠に関して、僕は四国に回ってこず3枠が濃厚と考えています。既に記念大会の増枠を受けており4県4枠になるというのは考えにくい、光や鳥取城北と比較して4枠目を取るのが難しそうというのが理由ですね。なので最後が3枠目で鳴門と高知の一騎打ちという前提で書きます。
まず高知は敗れた英明が優勝したこと、2勝の内容も良くマイナス要素はほぼ無いので落選する理由があるというよりかは鳴門の1位通過がより高く評価されるのかなと思います。ただ1位通過だから1勝しかしてないのも事実で、この1勝差と県順位の差のどちらが重んじられるかによって意見が分かれるでしょうね。
補欠1位は高知、補欠2位はベスト8で全滅した愛媛勢の中から試合内容で宇和島東になると思います。
九州(4枠)
◎沖縄尚学(沖縄1位)
◎長崎日大(長崎1位)
◎大分商(大分2位)
◎海星(長崎2位)
準決勝からの試合が荒れることもなくベスト4の4校で決まりそうですね。初戦で佐賀、熊本、宮崎、鹿児島が2校敗退。更に準々決勝で福岡もいなくなる珍しい展開となりました。長崎の2校選出は史上初というのもサプライズですね。
補欠1位は地域性から西日本短大附、補欠2位は優勝した沖縄尚学と熱戦を繰り広げた明豊の予想です。
次回は東京+神宮枠のお話です。
2023年の選抜予想(+戦績まとめ)東日本編
こんにちは。
初回の記事は来年の選抜予想になります。秋季大会は東京を除く46都道府県大会(+地区大会)が終了しており、東京大会や神宮大会が終われば再び記事にします。
北海道(1枠) ◎クラーク国際
北海道は例年通りなら優勝校が選抜出場/準優勝校が補欠ですんなり決まるのでクラークの2年連続出場が決定的。神宮大会で優勝すれば北海も出場となるでしょう。その場合はベスト4の2校が補欠となりますが、クラークに準決勝で敗れている立命館慶祥が補欠1位になると思います。
東北(3枠)
◎仙台育英(宮城2位)
◎東北(宮城1位)
○能代松陽(秋田1位)
▲聖光学院(福島1位)
宮城決勝となった2校は地域性を問われることなく当確。残りの1枠は優勝した仙台育英に善戦した能代松陽がやや有利という状況。対して聖光学院は甲子園で活躍した前チームのメンバーが数人残り、新チームの始動も遅れた中での好成績は見事でしたね。戦力的には能代松陽に見劣りしないと思いますが、公立校、東北北部(青森/秋田/岩手)との選出のバランス面も踏まえると難しそうですね。
補欠1位は聖光学院、地域性&対戦相手から山形中央が補欠2位と予想します。
北信越(2枠)
◎北陸(福井3位)
◎敦賀気比(福井1位)
実質「福井大会」となった今秋は福井勢の3校がベスト4に進出。とはいえ記念大会の増枠を受けられず、決勝も県順位が下の北越が勝利したことにより無風の2校選出となりそうですね。北越、敦賀気比は投手力も非常に高いと見ます。
補欠1位は松商学園、補欠2位は地域性で福井3校目の福井商よりも日本航空石川、氷見の可能性が高そうです。
関東(5~6枠)
◎山梨学院(山梨1位)
◎専大松戸(千葉1位)
◎健大高崎(群馬1位)
◎慶応(神奈川2位)
○作新学院(栃木1位)
▲横浜(神奈川1位)
近年の関東大会で活躍目覚ましい山梨学院、専大松戸、健大高崎と揃って当確に。慶応も5年ぶりの選抜とメンバー的にはほぼ戦前の予想通りですかね。毎年揉める関東5枠目だが今年は地域性で不利な横浜、コールド負けの山村学園、スーパーシード初戦敗退の昌平。この3校が作新学院が上回るのは難しそうという事ですんなり決まりそうですね。
東京との比較枠に関しては後日記事にします。仮に比較枠が関東に来なければ補欠1位は横浜、補欠2位は埼玉2校のどちらか(県順位で昌平が有力か)と思います。
東海(3枠)
◎東邦(愛知1位)
◎常葉菊川(静岡1位)
○大垣日大(岐阜2位)
▲加藤学園(静岡3位)
県大会では僅差の試合が続いた東邦も東海大会は終始優勢に試合を運び優勝。神宮大会初戦は大阪桐蔭との好カードで楽しみですね。常葉菊川は逆に東海大会で接戦を続けて制しての選抜出場。残る1枠は地域性で大垣日大の2年連続出場が濃厚となっています。加藤学園からすると準決勝の静岡対決が事実上の「選抜出場決定戦」でしたね。
補欠に関しては1位が加藤学園。ベスト8で全滅した三重から三重or津商が補欠2位となりそうです。
次回は西日本編です。