過去の21世紀枠を振り返る(後編)

こんにちは。

前回の続きの記事になります。

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2012年(地区推薦校)

北海道 ◉女満別

東北 ◎石巻工(宮城)

関東 ☆高崎(群馬)

北信越 金沢西(石川)

東海 大垣西(岐阜)

近畿 ◎洲本(兵庫)

中国 ▲広島観音(広島)

四国 ▲小松(愛媛)

九州 ☆宮崎西(宮崎)

東日本大震災からの復興という意味合いで印象的だった石巻工、甲子園優勝経験のある古豪の洲本が東西で選出。最後に寒冷地帯での頑張りがが評価された女満別が選ばれた。ちなみに高崎は関東4強の好成績で一般枠としての選出が確実だったにも関わらず関東推薦校となり疑問が噴出した。一方で宮崎西は九州8強から一般枠で逆転選出。

 

石巻工(宮城2位/東北初戦敗退)

●5-9 神村学園

洲本(兵庫4位)

●1-2 鳴門

女満別(北海道16強)

●0-6 九州学院

6年ぶりの初戦全滅に。石巻工、洲本は中盤にリードを奪う場面もあったが女満別は注目エースの二階堂が初回4失点と見せ場を作れなかった。先程記載した高崎や宮崎西も初戦で大敗と厳しい結果に。

 

2013年(地区推薦校)

北海道 ◉遠軽

東北 ◎いわき開星(福島)

関東 ▲日立一(茨城)

北信越 五泉(新潟)

東海 豊川(愛知)

近畿 堀川(京都)

中国 ◉益田翔陽(島根)

四国 ◎土佐(高知)

九州 ▲門司学園(福岡)

この年の記念大会は21世紀枠が増枠され3→4に。前年の石巻工に続き東日本大震災の困難克服の観点からいわき海星、そして西日本は古豪の文武両道校である土佐が選ばれた。土佐は初の私立校選出であり、この3年後には一般枠での出場も果たしている。残る2枠は過疎地域での活動が際立つ益田翔陽遠軽となった。豊川は翌年に選抜4強に進出する大躍進。

 

いわき海星(福島16強)

●0-3 遠軽

土佐(高知3位/四国初戦敗退)

●0-4 浦和学院

益田翔陽(島根1位/中国初戦敗退)

●0-8 聖光学院

遠軽(北海道4強)

○3-0 いわき海星

●1-11 大阪桐蔭

遠軽-いわき海星は初となる21世紀枠同士の対戦に。勝利した遠軽大阪桐蔭を相手に中盤まで接戦を演じるも突き放された。土佐はこの年の選抜優勝校の浦和学院に粘りの試合。

 

2014年(地区推薦校)

北海道 天塩

東北 ▲角館(秋田)

関東 ◎小山台(東京)

北信越 長野西(長野)

東海 伊勢(三重)

近畿 ◎海南(和歌山)

中国 大東(島根)

四国 ▲坂出(香川)

九州 ◉大島(鹿児島)

本来、21世紀枠は都市部に厳しい(環境面の差など)が東京の文武両道校である小山台が東日本代表となった。西は近畿大会での活躍も目立った古豪の海南に。最後は離島のハンデを克服し好成績を収めた大島。

 

小山台(東京8強)

●0-11 履正社

海南(和歌山2位/近畿初戦敗退)

●3-4 池田

大島(鹿児島4強)

●2-16 龍谷大平安

龍谷大平安履正社はこの年の選抜決勝進出校。くじ運が悪かったのは否めないが、海南の試合も含め近畿勢のレベルの高さを印象づけた。その海南-池田はオールドファンに嬉しい対決となり結果は池田の逆転サヨナラ勝ちに。

 

2015年(地区推薦校)

北海道 北見工

東北 松島(宮城)

関東 富岡(群馬)

北信越 ▲金沢商(石川)

東海 ◎豊橋工(愛知)

近畿 ◉桐蔭(和歌山)

中国 ▲平田(島根)

四国 ◎松山東(愛媛)

九州 八幡南(福岡)

昨年の東京に続き、都市部愛知の実力校である豊橋工。西はなんと甲子園優勝校が2校(松山東、最後が桐蔭)となった。甲子園初出場が1校のみというのは中々珍しい。

 

豊橋工(愛知3位/東海初戦敗退)

●0-3 東海大四

山東(愛媛2位/四国初戦敗退)

○5-4 二松学舎大

●2-3 東海大四

桐蔭(和歌山8強)

●7-11 今治西

東海大四は選抜準優勝校だったが、2校が投手戦に持ち込んでみせた。特に松山東は8回までリードを保ち久々の21世紀枠2勝目も近かったが逆転負け。桐蔭は今治西との古豪対決となり点の取り合いも及ばなかった。

 

2016年(地区推薦校)

北海道 札幌清田

東北 ◎釜石(岩手)

関東 上尾(埼玉)

北信越 長野(長野)

東海 ▲宇治山田(三重)

近畿 ◉長田(兵庫)

中国 出雲(島根)

四国 ◎小豆島(香川)

九州 ▲八重山(沖縄)

東日本大震災から5年が経つ中で未だに被災の影響が色濃い地域で奮闘する釜石。離島のハンデを乗り越え県大会を制した小豆島が選出。最後は激戦区で文武両道を実行する長田となった。長野や出雲も県内有数の進学校だったが高評価とはならず。

 

釜石(岩手2位/東北初戦敗退)

○2-1 小豆島

●1-9 滋賀学園

小豆島(香川1位/四国初戦敗退)

●1-2 釜石

長田(兵庫8強)

●2-3 海星

3年ぶりに21世紀枠同士の対戦が実現。投手戦を釜石が制したものの滋賀学園には序盤で攻略されてしまった。長田は中盤以降1点ビハインドを保つも追いつけず。やはり競り合いとなった時の打力不足は否めない。

 

2017年(地区推薦校)

北海道 富良野

東北 ◎不来方(岩手)

関東 石橋(栃木)

北信越 富山東(富山)

東海 ◉多治見(岐阜)

近畿 ▲洛星(京都)

中国 倉吉東(鳥取)

四国 ◎中村(高知)

九州 ▲高千穂(宮崎)

部員10年で東北大会出場の偉業を果たした不来方。過疎化が進む地域において県大会を制した中村が選出。最後の1枠も県大会を制した多治見と、選出3校が地区大会出場校なのは6年ぶりに。洛星は私立ながら進学校&少人数という特色で惜しくも補欠となった。

 

不来方(岩手2位/東北初戦敗退)

●3-12 静岡

中村(高知1位/四国初戦敗退)

●1-5 前橋育英

多治見(岐阜1位/東海初戦敗退)

●0-21 報徳学園

対戦相手がいずれも常連校とはいえ惨敗。戦績的には「準一般枠」といっても遜色のない3校だったが通用せず、21世紀枠の存在に疑問を抱く声も多かった。

 

2018年(地区推薦校)

北海道 函館工

東北 ◎由利工(秋田)

関東 藤岡中央(群馬)

北信越 ▲金津(福井)

東海 大垣西(岐阜)

近畿 ◉膳所(滋賀)

中国 下関西(山口)

四国 ▲高知追手前(高知)

九州 ◎伊万里(佐賀)

全校生徒の2割が野球部員という特色で学校変革を行った由利工。野球人口の拡大の為に様々な活動を重ねてきた伊万里が選出。最後にデータ野球を取り入れる膳所が選ばれた。今でもだが近畿推薦は進学校路線が根強い。

 

由利工(秋田3位/東北8強)

●0-5 日大三

伊万里(佐賀2位/九州初戦敗退)

●2-14 大阪桐蔭

膳所(滋賀8強)

●0-10 日本航空石川

前年に続く大敗でイメージ低下を深めてしまうことに。由利工と膳所は中盤まで接戦だったが1点が遠かった。伊万里は8.9回に2得点で最後に意地。

 

2019年(地区推薦校)

北海道 釧路湖陵

東北 古川(宮城)

関東 ◎石岡一(茨城)

北信越 金津(福井)

東海 ▲清水桜が丘(静岡)

近畿 八尾(大阪)

中国 ▲平田(島根)

四国 ◎富岡西(徳島)

九州 ◉熊本西(熊本)

農業系学校としての特色、エースの力量が高いとして石岡一。街全体での野球振興に貢献している富岡西がそれぞれ選出。最後は熊本地震の復興に尽力する熊本西となった。古川は東北4強で実力的に申し分なかったがまさかの低評価。大阪から初の近畿推薦となった八尾も及ばなかった。

 

石岡一(茨城4強)

●2-3 盛岡大附

富岡西(徳島3位/四国4強)

●1-3 東邦

熊本西(熊本2位/九州8強)

●2-13 智辯和歌山

石岡一は9回2死まで無失点も悔しい逆転サヨナラ負け。富岡西は選抜優勝校の東邦を最も抑え込んだ高校となった。熊本西は智辯和歌山の猛打に屈したが、例年と比べると見どころの多い3試合になった。

 

2020年(地区推薦校)

北海道 ◎帯広農

東北 ◉磐城(福島)

関東 宇都宮(栃木)

北信越 敦賀(福井)

東海 ▲近大高専(三重)

近畿 ▲伊香(滋賀)

中国 ◎平田(島根)

四国 城東(徳島)

九州 本部(沖縄)

前年の石岡一に続き農業系の特色を持つ帯広農。野球の普及活動に取り組んできた平田が選出。最後に台風の被害を乗り越えて好成績を残した磐城が選ばれた。近大高専は県大会を制し戦績的には見劣りしなかったが私立2校目の選出とはならず。

 

帯広農(北海道4強)

○4-1 健大高崎

平田(島根2位/中国8強)

●0-4 創成館

磐城(福島3位/東北8強)

●3-4 国士舘

選抜中止に伴い夏に交流戦という形で各校1試合のみ行われた。帯広農は秋の関東王者である健大高崎に勝利。磐城も東京王者の国士舘を最後まで追い詰めるなど3校の活躍が目立った。ちなみに選抜で21世紀枠が一般枠の学校に勝利したのは2015年の松山東が最後である。

 

2021年(地区推薦校)

北海道 ▲知内

東北 ◎八戸西(青森)

関東 石橋(栃木)

北信越 ▲富山北部・水橋(富山)

東海 ◉三島南(静岡)

近畿 ◎東播磨(兵庫)

中国 矢上(島根)

四国 川之石(愛媛)

九州 ◉具志川商(沖縄)

前年の神宮大会が中止となった事で神宮枠が消滅。この1枠が21世紀枠に加算された事で4枠となった。まずは好投手率いる八戸西と東播磨がそれぞれ選出。次に部員不足の危機を乗り越え九州大会でも1勝した具志川商、最後に地域の野球普及活動に力を入れる三島南となった。石橋/富山連合/矢上は地区大会出場を果たし戦績では三島南を上回るも評価は届かず。

 

八戸西(青森2位/東北8強)

●3-8 具志川商

東播磨(兵庫2位/近畿初戦敗退)

●9-10 明豊

具志川商(沖縄2位/九州8強)

○8-3 三島南

●4-8 福岡大大濠

三島南(静岡4位)

●2-6 鳥取城北

3度目となる21世紀枠同士の対決は具志川商に軍配。次戦では九州大会で敗れた福岡大大濠との再戦となったが延長戦の末に惜しくも敗れた。東播磨21世紀枠としては珍しく打ち合いに。選抜準優勝を果たす明豊を最後まで苦しめた。ここしばらく大敗がなく一般枠とほぼ対等に戦えている年が続いている。

 

2022年(地区推薦校)

北海道 ▲札幌国際情報

東北 ◉只見(福島)

関東 太田(群馬)

北信越 ◎丹生(福井)

東海 相可(三重)

近畿 伊吹(滋賀)

中国 ▲倉吉総合産(鳥取)

四国 高松一(香川)

九州 ◎大分舞鶴(大分)

町内唯一の学校で地元の活性化に力を入れている丹生。近年の好成績と文武両道が評価されて大分舞鶴が選出。最後に過疎化が進む地域で部員13人の頑張りが元気を与えている只見が選ばれた。地区大会進出が1校のみなのは8年ぶり。

 

丹生(福井4位)

●7-22 広島商

只見(福島8強)

●1-6 大垣日大

大分舞鶴(大分2位/九州初戦敗退)

●0-4 浦和学院

投打で厳しい結果に。大分舞鶴と只見はエースが踏ん張ったものの打線が2安打と繋がらず。丹生は2回に4得点で逆転するも計5投手で300球近くを投じるほどの大荒れの試合となった。

 

次回も21世紀枠に関する記事となります。