いつ21世紀枠に選ばれる?東日本編【群馬/埼玉/神奈川/長野/富山/三重】

こんにちは。

今日は未だに21世紀枠として選出されたことのない都道府県と今後の可能性について考えていきます。

 

【選出された事のある都道府県】

北海道 鵡川/女満別/遠軽/帯広農

【東北 6県14校】

青森 八戸西

岩手 一関一/釜石/不来方

秋田 大館鳳鳴/由利工

山形 山形中央

宮城 一迫商/利府/石巻工

福島 安積/いわき海星/磐城/只見

【関東 1都7県5校】

茨城 石岡一

栃木 真岡工

千葉 安房

山梨 都留

東京 小山台

北信越 5県4校】

新潟 柏崎/佐渡

石川 金沢桜丘

福井 丹生

【東海 4県4校】

静岡 三島南

愛知 成章/豊橋

岐阜 多治見

【近畿 2府4県8校】

滋賀 彦根東/膳所

兵庫 洲本/長田/東播磨

和歌山 向陽/海南/桐蔭

【中国 5県5校】

島根 松江北/隠岐/益田翔陽/平田

山口 華陵

【四国 4県9校】

香川 高松/小豆島

徳島 川島/城南/富岡西

愛媛 八幡浜/松山東

高知 土佐/中村

【九州 8県8校】

佐賀 伊万里

熊本 熊本西

大分 大分上野丘/大分舞鶴

宮崎 都城泉ヶ丘

鹿児島 大島

沖縄 宜野座/具志川商

都道府県別では北海道、福島、島根が最多の4校選出。次いで岩手、宮城、兵庫、和歌山、徳島が3校選出となっています。地区別では東北が最多の14校、次いで四国の9校となり両地区とも全県で選出済みです。

 

そして、残る未選出は14府県。各府県の歴代の推薦校と共に振り返っていきます。

 

▲私立

赤字…地区推薦

緑字…一般枠で選出

 

【群馬】

公立推薦 20/23

地区大会出場 3/23

地区推薦 4校

2000年 吉井(県2位/関東初戦)

2001年 伊勢崎工(県8強)

2002年 高崎経大附(県8強)

2003年 富岡(県8強)

2004年 高崎東(県8強)

2005年 沼田(県4位)

2006年 ▲前橋育英(県4強)

2007年 渋川(県8強)

2008年 中央中等(県8強)

2009年 ▲前橋育英(県8強)

2010年 ▲前橋育英(県1位/関東8強)

2011年 高崎(県2位/関東4強)

2012年 富岡(県8強)

2013年 沼田(県8強)

2014年 富岡(県4強)

2015年 伊勢崎清明(県8強)

2016年 前橋西(県8強)

2017年 藤岡中央(県4強)

2018年 伊勢崎清明(県8強)

2019年 伊勢崎清明(県8強)

2020年 館林(県4強)

2021年 太田(県8強)

2022年 市立太田(県8強)

関東推薦4回は栃木の6回に次いで2位タイながら、いずれも補欠入りがなくプレゼンで高い評価を得られていない。ただ、2010年まで関東推薦として見向きもされない状況だったのでそこが良化したのは今後に期待が持てる。2010.11年と推薦した学校が2年連続で一般枠に選出される珍事も。私立は過去に前橋育英しか推薦されていないので、しっかり公立を推し続けているのは◎。

 

・初選出への推し高校…太田

群馬は前橋、高崎と県内上位の進学校が一般枠にて出場してしまっているので甲子園経験のない太田に期待。強豪私立に食らいつく年もあり次のチャンスはそう遠くはないはず。

 

【埼玉】

公立推薦 15/23

地区大会出場 6/23

地区推薦 1校

2000年 ▲浦和実(県2位/関東8強)

2001年 ▲花咲徳栄(県2位/関東初戦)

2002年 鷺宮(県4強)

2003年 ▲春日部共栄(県1位/関東8強)

2004年 所沢商(県4強)

2005年 坂戸西(県16強)

2006年 所沢北(県16強)

2007年 ▲栄東(県8強)

2008年 滑川総合(県16強)

2009年 ▲川越東(県4強)

2010年 ▲慶應志木(県8強)

2011年 ▲昌平(県8強)

2012年 朝霞(県8強)

2013年 市立川越(県2位/関東初戦)

2014年 春日部東(県4強)

2015年 上尾(県8強)

2016年 川越工(県16強)

2017年 市立川越(県2位/関東初戦)

2018年 松山(県16強)

2019年 川口市立(県4強)

2020年 大宮東(県4強)

2021年 上尾(県4強)

2022年 ▲山村学園(県3位/関東8強)

私立校はこれまで8校が推薦されてきたが、被りがないというのは県内の層の厚さを示している。花咲徳栄春日部共栄は後に自力で出場したが残る6校は出場が遠く、今年の山村学園も春夏と関東大会で戦えることを証明したが甲子園に後一歩届かない。公立勢では古豪の上尾が唯一の関東推薦もどちらかといえば自力での出場の可能性のほうが高いか。市立川越は2度目の推薦時に不祥事で取り消しとなった経緯があり今後の推薦は厳しそう。

 

・初選出への推し高校…浦和

埼玉には古豪や文武両道校など候補となり得る学校が多い。その中で戦後の甲子園出場がない浦和は気になる存在。昨秋は16強も上尾に敗れ推薦も渡ってしまった。激戦区にあって再度同じ所まで勝ち進み初推薦となるか。

 

【神奈川】

公立推薦 6/23

地区大会出場 2/23

地区推薦 0校

2000年 ▲向上(県4強)

2001年 神奈川工(県8強)

2002年 厚木西(県4位)

2003年 ▲横浜創学館(県1位/関東初戦)

2004年 ▲鎌倉学園(県8強)

2005年 ▲立花学園(県8強)

2006年 ▲藤嶺藤沢(県16強)

2007年 川崎北(県4強)

2008年 市立川崎(県8強)

2009年 ▲鎌倉学園(県4強)

2010年 ▲藤嶺藤沢(県4強)

2011年 ▲湘南学院(県8強)

2012年 ▲平塚学園(県4強)

2013年 ▲日大高(県2位/関東初戦)

2014年 ▲湘南学院(県8強)

2015年 ▲日大高(県4強)

2016年 ▲横浜創学館(県8強)

2017年 ▲鎌倉学園(県4位)

2018年 横浜商(県8強)

2019年 ▲三浦学苑(県4強)

2020年 白山(県8強)

2021年 ▲日大高(県8強)

2022年 ▲横浜創学館(県4強)

神奈川の私立校は4~8強が壁になっている事が多く、それを反映するかのような推薦校の並びとなっている。なので公立校は戦績的に上位に入り込みずらい。東京の小山台のような事例が神奈川でも再現という期待はあるが、2015年に相模原(4強)の推薦が見送られたようにそもそもの推薦基準もバラバラで推薦の可能性を更に狭めている。少しでも多くの私立校が一般枠で甲子園出場となれば私立偏重の推薦状況は改善するのかもしれないが、現状の神奈川の戦況では厳しそう。

 

・初出場への推し高校…湘南

「湘南が上位進出となれば神奈川はついに本気を出す」と噂されるほど。文武両道であることに加え全国制覇の経験もある古豪である。前述したように相模原が見送られた経緯を踏まえるとこのクラスの学校に頑張ってもらうしか選出の道はなさそう。

 

【長野】

公立推薦 20/22

地区大会出場 11/22

地区推薦 3校

2000年 信州工(県2位/北信越初戦)

2001年 ▲長野日大(県1位/北信越初戦)

2002年 伊那北(県2位/北信越初戦)

2003年 諏訪清陵(県4位)

2004年 上田千曲(県3位/北信越初戦)

2005年 諏訪清陵(県2位/北信越初戦)

2006年 ▲長野日大(県1位/北信越8強)

2007年 飯山南(連)(県3位/北信越初戦)

2008年 ×

2009年 長野(県1位/北信越初戦)

2010年 飯山北(県4位)

2011年 小諸商(県8強)

2012年 諏訪清陵(県8強)

2013年 長野西(県3位/北信越初戦)

2014年 小諸商(県3位/北信越初戦)

2015年 長野(県4位)

2016年 小諸商(県3位/北信越8強)

2017年 松本深志(県8強)

2018年 飯山(県8強)

2019年 木曽青峰(県16強)

2020年 更級農(県16強)

2021年 松本深志(県8強)

2022年 伊那北(県4位)

かつては北信越大会進出の公立校を立て続けに推薦していたが、皮肉にも地区推薦は長野日大のみ。2010年以降に進学校の長野西と長野が地区推薦されたが補欠に入ることもなかった。そして2016年の小諸商を最後に北信越大会進出校が途絶えており、推薦校の戦績低下が心配される。推薦傾向としては進学校路線で長野、松本深志伊那北はいずれも県内偏差値TOP5に名を連ねている。

 

・初出場への推し高校…長野

氷見と北信越推薦を争った今年の伊那北は残念ながら落選。再び長野に可能性を感じていきたい。秋は伊那北との「21世紀枠決定戦」に敗れるも8強入りとまだまだ上位に食い込む力はある。

 

【富山】

公立推薦 22/23

地区大会出場 6/23

地区推薦 4校

2000年 高岡(県4強)

2001年 砺波工(県2位/北信越初戦)

2002年 砺波工(県4位)

2003年 八尾(県8強)

2004年 富山工(県8強)

2005年 福岡(県8強)

2006年 小杉(県4位)

2007年 富山中部(県4位)

2008年 高岡西(県4位)

2009年 砺波工(県2位/北信越初戦)

2010年 高岡南(県8強)

2011年 伏木(県8強)

2012年 富山東(県16強)

2013年 富山(県8強)

2014年 富山中部(県8強)

2015年 富山東(県8強)

2016年 富山東(県2位/北信越8強)

2017年 ▲富山国際大(県2位/北信越4強)

2018年 富山東(県4位)

2019年 高岡南(県8強)

2020年 富山北部(連)(県3位/北信越初戦)

2021年 砺波(県8強)

2022年 氷見(県1位/北信越8強)

同じ北信越の長野とは対照的に初期の候補はやや戦績不足。県内随一の進学校である富山中部しかチャンスはなかったが、2016年の富山東以降は急変。2年前は富山北部・水橋の連合チームが好成績を残すも惜しくも補欠へ。流れそのままに今年は氷見が更なる好成績で地区推薦入りを果たし、いよいよ選出県の仲間入りが見えてきた。

 

・初出場への推し高校…氷見

好成績のみならず地元密着型の高校という特色もある。29年前の甲子園出場という点以外に明らかな減点は無い。氷見でダメなら今後の希望が見えてこない程に今回の推薦は正念場。高野連のプレゼンにも注目していきたい。

 

【三重】

公立推薦 21/22

地区大会出場 10/22

地区推薦 9校

2000年 宇治山田(県4位)

2001年 久居農林(県3位/東海初戦)

2002年 神戸(県8強)

2003年 津西(県4位)

2004年 相可(県3位/東海8強)

2005年 名張桔梗丘(県8強)

2006年 ×

2007年 上野(県8強)

2008年 名張桔梗丘(県3位/東海初戦)

2009年 いなべ総合(県2位/東海初戦)

2010年 松阪(県2位/東海初戦)

2011年 津商(県8強)

2012年 津商(県3位/東海初戦)

2013年 伊勢(県2位/東海初戦)

2014年 津西(県3位/東海初戦)

2015年 宇治山田(県8強)

2016年 四日市(県16強)

2017年 桑名(県16強)

2018年 木本(県8強)

2019年 ▲近大高専(県1位/東海8強)

2020年 松阪商(県2位/東海初戦)

2021年 相可(県8強)

2022年 木本(県4位)

今回の木本により三重は全国最多タイとなる9度目の地区推薦。全体として好成績の学校が多く特色も過疎地域の学校が推されたり、宇治山田・四日市のような県内の名門校が推されたりと色々だが一向に結果が出ない。ちなみに東海の地区推薦は「一般枠が絶望的な県」から選ばれる傾向が強いので、三重の地区推薦が多いのは裏を返すと東海大会の戦績が振るわないからとも言える。

 

・初出場への推し高校…木本

木本は地元主体の少人数で結果を残してきたが東海大会まで後1勝届かなかったのは痛い。東日本は由利・氷見と戦績で上回るライバルがいる為、やはりプレゼンの出来が問われる。9度目の正直となるか。

 

次回は西日本編になります。

21世紀枠地区推薦発表!各校の選ばれる理由、選ばれない理由を考えてみる。

こんにちは。

21世紀枠の地区推薦9校が発表されましたね。今回は各校の特徴と最終3枠へのポイントを考えていきたいと思います(下図は9校のまとめ)。

 

【北海道】稚内大谷

・地区大会

○3-1 士別翔雲

○12-2 枝幸

・道大会

●7-8 立命館慶祥(2回戦)

◎甲子園出場の無い名寄地区

×道大会16強&私立校

道大会4強の私立2校あるいは16強ながら北海に善戦した滝川の予想が多かったこともあり、個人的に今回の発表の中で一番驚いた学校ですね。北海道の最北端に位置する名寄地区は1度も甲子園出場がなく、毎年の道大会の地区代表校も苦戦続きで中々チャンスが巡ってきていません。

 

そういう地にあって稚内大谷は夏に3度の道大会準優勝。惜しくも甲子園に届かない実力校かつ悲願の地区初出場という要素が揃っています。しかし今秋は道大会未勝利と戦績のインパクトは弱めで、過去に土佐の1度しか選出されてこなかった「私立校」という事もあり厳しい評価になるのではと思います。

 

【東北】由利

・県大会

○3-2 秋田工

○7-0 西目

○6-1 男鹿工

○5-2 大館鳳鳴

○8-2 横手清陵

●2-8 能代松陽(決勝)

・東北大会

○9-5 弘前

●2-3 聖光学院(準々決勝)

◎東北大会1勝&聖光学院に惜敗

▲4年前の由利工(同市)選出が影響?

昨年の推薦校である大館桂桜は今年の由利と同成績で東北推薦が有力視されるも不祥事で推薦辞退。それでも好成績の候補を毎年揃えられるのが秋田の強みですね。県大会から安定した試合を重ね、選手権4強の聖光学院を相手に互角に渡り歩くなど甲子園で期待の持てる実力を有しています。

 

戦績的に不足はないものの、2018年に由利本荘市から由利工が21世紀枠にて選出されている事がどう影響するかポイントになりそうです。同じ市から絶対に選ばれないという事ではないですが間隔が5年と短いので。それでも秋田はプレゼンの成功率もそこそこですし他にマイナス点は無いと思います。

 

【関東】石橋

・県大会

○16-1 栃木

○10-2 烏山

○13-0 鹿沼商工

○3-0 上三川

●1-6 青藍泰斗(準決勝)

◎文武両道&長らく好成績

×過去2度のプレゼン低評価

栃木は関東最多となる7度目の地区推薦。今回の石橋は3度目の地区推薦(全国では4校目)となり、今度こそという思いは候補の中で一番強いでしょう。文武両道を推し進めながらも県内では後一歩の実力を長年維持。いかにも21世紀枠っぽい学校といえます。

 

ただ、1.2回目の関東推薦時には関東大会に進出していたこともあり戦績のインパクトはやや後退。それ以上の懸念材料はプレゼンにあります。去年は地区推薦校の中でまさかの候補最下位を争うほどの低評価で多くの人の予想を外した事は記憶に新しいと思います。過去の失敗を糧にできるかというのも選出可否を分けそうです。

 

北信越】氷見

・県大会

○10-0 高岡南

○13-1 桜井

○21-6 新川

○8-3 富山第一

○12-2 新湊(決勝)

北信越大会

○2-0 遊学館

●2-7 松商学園(準々決勝)

◎圧勝で県大会を制すなど実力No.1

◎地元部員&少人数など特色も際立つ

今回の21世紀枠の中で大本命は氷見だと思います。エースの青野くんは140kmに迫る直球を投げ込む好投手。打線も県大会で1試合平均12点を超える猛打で優勝と投打でスケールの大きさが際立ちます。地元部員の快進撃というのも推し所ですね。また学校の特色も農業系/水産系の両面を兼ね備えるなどアピールポイントになりやすいです。

 

まとめると選出要素が候補の中で一番多いです。その中で敢えてマイナス点を述べるなら富山は21世紀枠での選出がありません。昨年は選出の声があった連合チームが惜しくも落選(補欠入り)となり、故にプレゼン次第で評価がどうなるかという不安が大きいです。後は1993年に甲子園出場を果たしており出場ブランクがやや短い点ですね。

 

【東海】木本

・地区大会

○8-1 松阪商

○10-2 宇治山田

○8-1 松阪

●2-5 宇治山田商

●3-4 三重

・県大会

○5-1 伊勢

○11-0 久居農林

○9-0 白山

●1-8 三重(準決勝)

●1-5 海星(3位決定戦)

◎過疎地で地元部員主体の好成績

×県勢はプレゼンで7連敗中

三重は島根に並ぶ全国最多タイとなる9度目の地区推薦。しかし最終選考で落選を重ね未だに選出無しという現状が重くのしかかります。木本は過去に神宮大会準優勝などの実績を重ねるも甲子園に手が届かない学校です。過疎化が進む地域で上位進出というのは去年の候補である相可と重なりますね。

 

東日本の候補は先述した由利、氷見が地区大会に出場していることもあり戦績面の比較で一歩後退。その分のカバーも含めプレゼンで巻き返せるかに尽きると思います。

 

【近畿】小野

・地区大会

○32-0 三木東

○4-0 洲本実

・県大会

○4-2 市立西宮

○6-1 加古川西

○6-4 神港学園

●2-3 社(準々決勝)

◎文武両道で独自の練習法を導入

▲近畿8校は多すぎる?

兵庫は過去に洲本、長田、東播磨と3度の地区推薦を全て最終選出させるなど21世紀枠が得意な県。今年の小野も3校同様に文武両道が特色ですが、時折県大会の上位に顔を出す実力もあります。秋の戦績では他候補と比べて劣るものの6試合で10失点と守り勝つ野球を展開。兵庫のレベルも加味すれば甲子園でも善戦できそうです。

 

後は前例の少ない「近畿8校出場」となるかどうか。1998年に一般枠が8校だった年があるとはいえ、選出過多な印象が選考に影響するかがカギとなりそうです。一般枠と21世紀枠は別物という過去の明言があるので、それに倣うなら無関係なのかもしれません。

 

【中国】神辺

・地区大会

○7-5 英数学館

○7-6 市立福山

・県大会

○3-2 海田

○6-5 瀬戸内

○7-6 市立呉

●3-5 広島商(準決勝)

●0-15 広島新庄(3位決定戦)

・中国大会

●4-14 おかやま山陽

◎激戦区で地区大会出場

▲氷見、木本同様に未選出県

同じく地区大会に進出した三刀屋を退け、県勢11年ぶりの地区推薦に。近年甲子園に出場した瀬戸内、市立呉に勝利するなど県4位で中国大会進出の快進撃を見せました。その反面、広島新庄&おかやま山陽に大敗で上位陣に通じる一面を見せられず。

 

広島もまた21世紀枠の未選出県であり、ましてや11年ぶりのプレゼンという状況でしっかりアピールできるか気になりますね。

 

【四国】城東

・県大会

○8-1 城西

○14-2 徳島市

○9-0 阿波

●2-9 鳴門渦潮

●4-5 徳島商

◎石橋、小野と並ぶ文武両道

▲戦績で推すにはやや弱い

文武両道+少人数が城東の特色。四国大会に出場し1勝した4年前と比べると少し戦績は落ちるものの、3位決定戦で徳島商に互角の展開。戦前は女子校で野球部ができたのも2000年前後。早々から結果を残し続けるもまだ甲子園に届かない学校です。

 

【九州】高鍋

・新人戦

○6-5 宮崎第一

○7-0 日章学園

・県大会

○5-2 宮崎農

○2-1 日南学園

○2-1 延岡工

○6-1 小林秀峰

●1-9 宮崎商(決勝)

・九州大会

●0-2 明豊

◎西日本の候補で戦績No.1

×甲子園に10回(25年前)に出場

今年の候補の中で過去実績は抜けており10度の甲子園出場。近年は出場から遠ざかっていたものの、今年は九州大会に進出し上位常連の明豊と投手戦を演じるなど往年の活躍が蘇りました。とはいえ21世紀枠よりも一般枠で期待という学校に近いかもしれません。

 

特に甲子園の出場ブランクが25年というのは21世紀枠にとって黄信号。過去に磐城や土佐が同程度のブランクで選ばれている事例があるとはいえ、今回の候補の中で甲子園に出ているのは氷見と高鍋しかいないのでそこで差がつけられる可能性もあります。

 

【地区推薦→最終3枠選出率】

・北海道(4/22)※落選校は省略

2002 ◎鵡川

2012 ◎女満別

2013 ◎遠軽

2020 ◎帯広農

・秋田(2/4)

2003 大館鳳鳴

2011 ◎大館鳳鳴

2014 角館

2018 ◎由利工

・栃木(1/6)

2003 真岡

2006 ◎真岡工

2011 大田原

2017 石橋

2020 宇都宮

2021 石橋

・富山(0/3)

2008 富山中部

2017 富山東

2021 富山北部・水橋

・三重(0/8)

2003 神戸

2004 津西

2009 名張桔梗丘(辞退)

2011 松阪

2014 伊勢

2016 宇治山田

2020 近大高専

2022 相可

・兵庫(3/3)

2012 ◎洲本

2016 ◎長田

2021 ◎東播磨

・広島(0/4)

2005 賀茂

2009 呉宮原

2011 総合技術

2012 広島観音

・徳島(3/6)

2001 富岡西

2008 富岡西

2010 ◎川島

2011 ◎城南

2019 ◎富岡西

2020 城東

・宮崎(1/4)

2007 ◎都城泉ヶ丘

2011 西都商

2012 宮崎西

2017 高千穂

全体的に落選が目立ちますね。その中で近年は北海道/秋田/兵庫/徳島のプレゼン成功が目立っています。成功のノウハウを蓄積しているのはプレゼンにおいて強みですね。一方で栃木、宮崎は成功例こそあるものの10年以上前。残り3県は悲願の初選出に向けて前回の失敗をどう活かすかが問われています。

 

【個人的な3枠予想】

氷見

城東

木本

氷見は余程プレゼンでミスしない限りは大丈夫かなと。西日本は少人数&文武両道の両面を兼ね備える城東、残りは由利と木本で悩みましたがより21世紀枠としての要素が多い木本にしました。

 

次回はまた違う角度で21世紀枠について書いていこうかと思います。

 

過去の21世紀枠を振り返る(後編)

こんにちは。

前回の続きの記事になります。

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2012年(地区推薦校)

北海道 ◉女満別

東北 ◎石巻工(宮城)

関東 ☆高崎(群馬)

北信越 金沢西(石川)

東海 大垣西(岐阜)

近畿 ◎洲本(兵庫)

中国 ▲広島観音(広島)

四国 ▲小松(愛媛)

九州 ☆宮崎西(宮崎)

東日本大震災からの復興という意味合いで印象的だった石巻工、甲子園優勝経験のある古豪の洲本が東西で選出。最後に寒冷地帯での頑張りがが評価された女満別が選ばれた。ちなみに高崎は関東4強の好成績で一般枠としての選出が確実だったにも関わらず関東推薦校となり疑問が噴出した。一方で宮崎西は九州8強から一般枠で逆転選出。

 

石巻工(宮城2位/東北初戦敗退)

●5-9 神村学園

洲本(兵庫4位)

●1-2 鳴門

女満別(北海道16強)

●0-6 九州学院

6年ぶりの初戦全滅に。石巻工、洲本は中盤にリードを奪う場面もあったが女満別は注目エースの二階堂が初回4失点と見せ場を作れなかった。先程記載した高崎や宮崎西も初戦で大敗と厳しい結果に。

 

2013年(地区推薦校)

北海道 ◉遠軽

東北 ◎いわき開星(福島)

関東 ▲日立一(茨城)

北信越 五泉(新潟)

東海 豊川(愛知)

近畿 堀川(京都)

中国 ◉益田翔陽(島根)

四国 ◎土佐(高知)

九州 ▲門司学園(福岡)

この年の記念大会は21世紀枠が増枠され3→4に。前年の石巻工に続き東日本大震災の困難克服の観点からいわき海星、そして西日本は古豪の文武両道校である土佐が選ばれた。土佐は初の私立校選出であり、この3年後には一般枠での出場も果たしている。残る2枠は過疎地域での活動が際立つ益田翔陽遠軽となった。豊川は翌年に選抜4強に進出する大躍進。

 

いわき海星(福島16強)

●0-3 遠軽

土佐(高知3位/四国初戦敗退)

●0-4 浦和学院

益田翔陽(島根1位/中国初戦敗退)

●0-8 聖光学院

遠軽(北海道4強)

○3-0 いわき海星

●1-11 大阪桐蔭

遠軽-いわき海星は初となる21世紀枠同士の対戦に。勝利した遠軽大阪桐蔭を相手に中盤まで接戦を演じるも突き放された。土佐はこの年の選抜優勝校の浦和学院に粘りの試合。

 

2014年(地区推薦校)

北海道 天塩

東北 ▲角館(秋田)

関東 ◎小山台(東京)

北信越 長野西(長野)

東海 伊勢(三重)

近畿 ◎海南(和歌山)

中国 大東(島根)

四国 ▲坂出(香川)

九州 ◉大島(鹿児島)

本来、21世紀枠は都市部に厳しい(環境面の差など)が東京の文武両道校である小山台が東日本代表となった。西は近畿大会での活躍も目立った古豪の海南に。最後は離島のハンデを克服し好成績を収めた大島。

 

小山台(東京8強)

●0-11 履正社

海南(和歌山2位/近畿初戦敗退)

●3-4 池田

大島(鹿児島4強)

●2-16 龍谷大平安

龍谷大平安履正社はこの年の選抜決勝進出校。くじ運が悪かったのは否めないが、海南の試合も含め近畿勢のレベルの高さを印象づけた。その海南-池田はオールドファンに嬉しい対決となり結果は池田の逆転サヨナラ勝ちに。

 

2015年(地区推薦校)

北海道 北見工

東北 松島(宮城)

関東 富岡(群馬)

北信越 ▲金沢商(石川)

東海 ◎豊橋工(愛知)

近畿 ◉桐蔭(和歌山)

中国 ▲平田(島根)

四国 ◎松山東(愛媛)

九州 八幡南(福岡)

昨年の東京に続き、都市部愛知の実力校である豊橋工。西はなんと甲子園優勝校が2校(松山東、最後が桐蔭)となった。甲子園初出場が1校のみというのは中々珍しい。

 

豊橋工(愛知3位/東海初戦敗退)

●0-3 東海大四

山東(愛媛2位/四国初戦敗退)

○5-4 二松学舎大

●2-3 東海大四

桐蔭(和歌山8強)

●7-11 今治西

東海大四は選抜準優勝校だったが、2校が投手戦に持ち込んでみせた。特に松山東は8回までリードを保ち久々の21世紀枠2勝目も近かったが逆転負け。桐蔭は今治西との古豪対決となり点の取り合いも及ばなかった。

 

2016年(地区推薦校)

北海道 札幌清田

東北 ◎釜石(岩手)

関東 上尾(埼玉)

北信越 長野(長野)

東海 ▲宇治山田(三重)

近畿 ◉長田(兵庫)

中国 出雲(島根)

四国 ◎小豆島(香川)

九州 ▲八重山(沖縄)

東日本大震災から5年が経つ中で未だに被災の影響が色濃い地域で奮闘する釜石。離島のハンデを乗り越え県大会を制した小豆島が選出。最後は激戦区で文武両道を実行する長田となった。長野や出雲も県内有数の進学校だったが高評価とはならず。

 

釜石(岩手2位/東北初戦敗退)

○2-1 小豆島

●1-9 滋賀学園

小豆島(香川1位/四国初戦敗退)

●1-2 釜石

長田(兵庫8強)

●2-3 海星

3年ぶりに21世紀枠同士の対戦が実現。投手戦を釜石が制したものの滋賀学園には序盤で攻略されてしまった。長田は中盤以降1点ビハインドを保つも追いつけず。やはり競り合いとなった時の打力不足は否めない。

 

2017年(地区推薦校)

北海道 富良野

東北 ◎不来方(岩手)

関東 石橋(栃木)

北信越 富山東(富山)

東海 ◉多治見(岐阜)

近畿 ▲洛星(京都)

中国 倉吉東(鳥取)

四国 ◎中村(高知)

九州 ▲高千穂(宮崎)

部員10年で東北大会出場の偉業を果たした不来方。過疎化が進む地域において県大会を制した中村が選出。最後の1枠も県大会を制した多治見と、選出3校が地区大会出場校なのは6年ぶりに。洛星は私立ながら進学校&少人数という特色で惜しくも補欠となった。

 

不来方(岩手2位/東北初戦敗退)

●3-12 静岡

中村(高知1位/四国初戦敗退)

●1-5 前橋育英

多治見(岐阜1位/東海初戦敗退)

●0-21 報徳学園

対戦相手がいずれも常連校とはいえ惨敗。戦績的には「準一般枠」といっても遜色のない3校だったが通用せず、21世紀枠の存在に疑問を抱く声も多かった。

 

2018年(地区推薦校)

北海道 函館工

東北 ◎由利工(秋田)

関東 藤岡中央(群馬)

北信越 ▲金津(福井)

東海 大垣西(岐阜)

近畿 ◉膳所(滋賀)

中国 下関西(山口)

四国 ▲高知追手前(高知)

九州 ◎伊万里(佐賀)

全校生徒の2割が野球部員という特色で学校変革を行った由利工。野球人口の拡大の為に様々な活動を重ねてきた伊万里が選出。最後にデータ野球を取り入れる膳所が選ばれた。今でもだが近畿推薦は進学校路線が根強い。

 

由利工(秋田3位/東北8強)

●0-5 日大三

伊万里(佐賀2位/九州初戦敗退)

●2-14 大阪桐蔭

膳所(滋賀8強)

●0-10 日本航空石川

前年に続く大敗でイメージ低下を深めてしまうことに。由利工と膳所は中盤まで接戦だったが1点が遠かった。伊万里は8.9回に2得点で最後に意地。

 

2019年(地区推薦校)

北海道 釧路湖陵

東北 古川(宮城)

関東 ◎石岡一(茨城)

北信越 金津(福井)

東海 ▲清水桜が丘(静岡)

近畿 八尾(大阪)

中国 ▲平田(島根)

四国 ◎富岡西(徳島)

九州 ◉熊本西(熊本)

農業系学校としての特色、エースの力量が高いとして石岡一。街全体での野球振興に貢献している富岡西がそれぞれ選出。最後は熊本地震の復興に尽力する熊本西となった。古川は東北4強で実力的に申し分なかったがまさかの低評価。大阪から初の近畿推薦となった八尾も及ばなかった。

 

石岡一(茨城4強)

●2-3 盛岡大附

富岡西(徳島3位/四国4強)

●1-3 東邦

熊本西(熊本2位/九州8強)

●2-13 智辯和歌山

石岡一は9回2死まで無失点も悔しい逆転サヨナラ負け。富岡西は選抜優勝校の東邦を最も抑え込んだ高校となった。熊本西は智辯和歌山の猛打に屈したが、例年と比べると見どころの多い3試合になった。

 

2020年(地区推薦校)

北海道 ◎帯広農

東北 ◉磐城(福島)

関東 宇都宮(栃木)

北信越 敦賀(福井)

東海 ▲近大高専(三重)

近畿 ▲伊香(滋賀)

中国 ◎平田(島根)

四国 城東(徳島)

九州 本部(沖縄)

前年の石岡一に続き農業系の特色を持つ帯広農。野球の普及活動に取り組んできた平田が選出。最後に台風の被害を乗り越えて好成績を残した磐城が選ばれた。近大高専は県大会を制し戦績的には見劣りしなかったが私立2校目の選出とはならず。

 

帯広農(北海道4強)

○4-1 健大高崎

平田(島根2位/中国8強)

●0-4 創成館

磐城(福島3位/東北8強)

●3-4 国士舘

選抜中止に伴い夏に交流戦という形で各校1試合のみ行われた。帯広農は秋の関東王者である健大高崎に勝利。磐城も東京王者の国士舘を最後まで追い詰めるなど3校の活躍が目立った。ちなみに選抜で21世紀枠が一般枠の学校に勝利したのは2015年の松山東が最後である。

 

2021年(地区推薦校)

北海道 ▲知内

東北 ◎八戸西(青森)

関東 石橋(栃木)

北信越 ▲富山北部・水橋(富山)

東海 ◉三島南(静岡)

近畿 ◎東播磨(兵庫)

中国 矢上(島根)

四国 川之石(愛媛)

九州 ◉具志川商(沖縄)

前年の神宮大会が中止となった事で神宮枠が消滅。この1枠が21世紀枠に加算された事で4枠となった。まずは好投手率いる八戸西と東播磨がそれぞれ選出。次に部員不足の危機を乗り越え九州大会でも1勝した具志川商、最後に地域の野球普及活動に力を入れる三島南となった。石橋/富山連合/矢上は地区大会出場を果たし戦績では三島南を上回るも評価は届かず。

 

八戸西(青森2位/東北8強)

●3-8 具志川商

東播磨(兵庫2位/近畿初戦敗退)

●9-10 明豊

具志川商(沖縄2位/九州8強)

○8-3 三島南

●4-8 福岡大大濠

三島南(静岡4位)

●2-6 鳥取城北

3度目となる21世紀枠同士の対決は具志川商に軍配。次戦では九州大会で敗れた福岡大大濠との再戦となったが延長戦の末に惜しくも敗れた。東播磨21世紀枠としては珍しく打ち合いに。選抜準優勝を果たす明豊を最後まで苦しめた。ここしばらく大敗がなく一般枠とほぼ対等に戦えている年が続いている。

 

2022年(地区推薦校)

北海道 ▲札幌国際情報

東北 ◉只見(福島)

関東 太田(群馬)

北信越 ◎丹生(福井)

東海 相可(三重)

近畿 伊吹(滋賀)

中国 ▲倉吉総合産(鳥取)

四国 高松一(香川)

九州 ◎大分舞鶴(大分)

町内唯一の学校で地元の活性化に力を入れている丹生。近年の好成績と文武両道が評価されて大分舞鶴が選出。最後に過疎化が進む地域で部員13人の頑張りが元気を与えている只見が選ばれた。地区大会進出が1校のみなのは8年ぶり。

 

丹生(福井4位)

●7-22 広島商

只見(福島8強)

●1-6 大垣日大

大分舞鶴(大分2位/九州初戦敗退)

●0-4 浦和学院

投打で厳しい結果に。大分舞鶴と只見はエースが踏ん張ったものの打線が2安打と繋がらず。丹生は2回に4得点で逆転するも計5投手で300球近くを投じるほどの大荒れの試合となった。

 

次回も21世紀枠に関する記事となります。

過去の21世紀枠を振り返る(前編)

こんにちは。

本来は2022年の高校野球を振り返る記事を書こうと思ったのですが、年末にスライドさせ先に違う記事をあげようと思います。

 

今回は過去の21世紀枠を振り返っていく記事です。前編では2011年までの紹介となります。

 

21世紀枠とは

2001年から導入された選抜出場枠であり、甲子園に後一歩届かない・過疎地/少人数という困難の克服などといった学校を対象とする制度となっています。また秋大会の成績が16強(128校以上が参加する都道府県では32強)以上という条件を満たすことが推薦の条件となっています。

 

都道府県で1校を推薦

↓(12月上旬)

その中から各地区で1校を推薦

↓(1月下旬/選抜出場校発表時)

最終的に3校が21世紀枠として出場

※東日本1校/西日本1校/地区縛り無し1校

 

それでは年別に振り返ります。

 

2001年(地区推薦校)

北海道 帯広南商

東北 ◎安積(福島)

関東 稲毛(千葉)

北信越 町野(石川)

東海 常葉橘(静岡)

近畿 桐蔭(和歌山)

中国 ▲境港工(鳥取)

四国 富岡西(徳島)

九州 ◎宜野座(沖縄)

初年度ということもあり各校の推薦は手探り感も。東日本からは県内随一の進学校である安積、西日本からは後1勝で甲子園で届かなかった実力校の宜野座が選出。

 

安積(福島8強)

●1-5 金沢

宜野座(沖縄1位/九州8強)

○7-2 岐阜第一

○4-3 桐光学園

○4-2 浪速

●1-7 仙台育英

安積は強豪の金沢に初戦敗退も中盤以降は1失点と粘ってみせた。宜野座はエース比嘉の力投もあり快進撃。準決勝で力尽きたものの新枠初年度の存在感を見せつける活躍ぶりだった。

 

2002年(地区推薦校)

北海道 ◎鵡川

東北 宮城農(宮城)

関東 土浦三(茨城)

北信越 長野日大(長野)

東海 郡上北(岐阜)

近畿 彦根東(滋賀)

中国 ◎松江北(島根)

四国 ▲八幡浜(愛媛)

九州 辺土名(沖縄)

鵡川/長野日大/彦根東など後の一般枠出場校が揃う中で東日本は学校の存続危機を乗り越え好成績を残した鵡川、西日本は文武両道が評価され松江北となった。

 

鵡川(北海道8強)

○12-8 三木

●0-1 広島商

松江北(島根3位/中国初戦敗退)

●3-5 福井商

昨年の宜野座のようなインパクトは無かったものの、2校とも一般枠と遜色のない戦いを展開。鵡川は初戦で3回までに10得点の猛打を見せ道民を湧かせた。

 

2003年(地区推薦校)

北海道 ▲稚内大谷

東北 大館鳳鳴(秋田)

関東 真岡(栃木)

北信越 ◎柏崎(新潟)

東海 神戸(三重)

近畿 橋本(和歌山)

中国 ◎隠岐(島根)

四国 高知東(高知)

九州 直方(福岡)

東日本からは厳しい環境下での練習、文武両道が評価されて柏崎。西日本は離島という地理的な不利を克服し中国大会進出を果たした隠岐となった。これで島根は早くも去年の松江北に続き2校目の選出に。私立ながら未だに甲子園と縁のない最北端の地区で奮闘する稚内大谷は惜しくも補欠。

 

柏崎(新潟3位/北信越初戦敗退)

●1-2 斑鳩

隠岐(島根1位/中国初戦敗退)

●1-15 浦和学院

開幕カードに出場した柏崎は投手戦も終盤に勝ち越しを許し惜敗。翌日に登場した隠岐は初回から浦和学院の猛攻を受け大敗。地区大会進出を果たした2校だったが、2日目にして21世紀枠の戦いは終わってしまった。

 

2004年(地区推薦校)

北海道 函館中部

東北 ◎一関一(岩手)

関東 桐朋(東京)

北信越 七尾(石川)

東海 津西(三重)

近畿 耐久(和歌山)

中国 鳥取城北(鳥取)

四国 ◎八幡浜(愛媛)

九州 ▲清峰(長崎)

一関一、八幡浜は地区大会で2勝するなど一般枠と遜色のない実力が評価されての選出となった。清峰も長崎1位と実力で2校に肉薄するも惜しくも補欠。この年の5年後に全国制覇を果たした。今や強豪の鳥取城北は中国大会2勝もやはり私立には厳しい制度であることが伺える。

 

一関一(岩手2位/東北4強)

●0-6 拓大紅陵

八幡浜(愛媛2位/四国4強)

●3-6 鵡川

昨年以上に実績高い2校で挑んだがまたしても未勝利。八幡浜は2年前の21世紀枠出場校である鵡川にリードを奪えず。制度4年目にして一般枠出場校との差を感じる結果に終わった。

 

2005年(地区推薦校)

北海道 札幌藻岩

東北 ◎一迫商(宮城)

関東 二松学舎沼南(千葉)

北信越 金沢泉丘(石川)

東海 静清工(静岡)

近畿 桜井(奈良)

中国 賀茂(広島)

四国 ◎高松(香川)

九州 ▲佐賀西(佐賀)

地域密着型の学校という点での評価が高かった一迫商、県内随一の進学校であり地域活動にも精力的な高松が選出。佐賀西は九州8強と実力的には申し分なかったが補欠に回った。

 

一迫商(宮城2位/東北8強)

○5-2 修徳

●2-19 天理

高松(香川2位/四国初戦敗退)

●2-6 宇部商

21世紀枠として3年ぶりの初戦突破となった一迫商だったが次戦で天理に序盤から12失点とワンサイドゲームに。高松は中盤以降に引き離され初戦敗退と「一般枠との実力差を縮める」年にはならなかった。

 

2006年(地区推薦校)

北海道 釧路江南

東北 光南(福島)

関東 ◎真岡工(栃木)

北信越 ◎金沢桜丘(石川)

東海 ▲成章(愛知)

近畿 県和歌山商(和歌山)

中国 米子西(鳥取)

四国 室戸(高知)

九州 ▲徳之島(鹿児島)

地区内1都7県でレベルの高い関東から未だに選出が無かった事、県レベル上昇に貢献したとして真岡工。文武両道かつ野球部員の学校活動貢献なども目を引く金沢桜丘が当選。現行の21世紀枠では東西で必ず1校が選出される仕組みなので、西日本の選出0はかなり珍しい。室戸は翌年の選抜に一般枠として出場し8強入りの大躍進を見せた。

 

真岡工(栃木2位/関東8強)

●1-9 PL学園

金沢桜丘(石川1位/北信越4強)

●3-4 愛知啓成

両校とも後1勝で一般枠という2004年に並ぶ戦績だったが、その時と同じく初戦敗退に。真岡工はエースがマエケンPL学園に投打で完敗。金沢桜丘は9回に勝ち越すも裏に逆転サヨナラ負けという悔しい結末になった。

 

2007年(地区推薦校)

北海道 ▲釧路江南

東北 上山明新館(山形)

関東 ◎都留(山梨)

北信越 武生商(福井)

東海 ▲成章(愛知)

近畿 ☆県和歌山商(和歌山)

中国 華陵(山口)

四国 高松一(香川)

九州 ◎都城泉ヶ丘(宮崎)

噴火の被害に見舞われた山間地域の学校ながら関東大会進出の好成績を残した都留。部員12人と少人数ながら継続して県内で好成績を残し続けている都城泉ヶ丘が選出。成章は異例となる2年連続の補欠入り。選考後に行われた一般枠の発表では近畿大会初戦敗退の県和歌山商が8強の学校を上回る評価を得て選出された。

 

都留(山梨2位/関東8強)

●2-3 今治西

都城泉ヶ丘(宮崎1位/九州8強)

○2-0 桐生第一

●1-4 大垣日大

共に後1勝で一般枠での選出という構成は昨年と同じ。都留は惜しくも終盤に逆転負けしたが、関東大会で都留を破った桐生第一都城泉ヶ丘が「敵討ち」。この選抜で準優勝となった大垣日大に対しても接戦に持ち込むなど見せ場を作った。

 

2008年(地区推薦校)

北海道 武修館

東北 ▲五所川原農林(青森)

関東 ◎安房(千葉)

北信越 富山中部(富山)

東海 ◎成章(愛知)

近畿 ▲畝傍(奈良)

中国 ◎華陵(山口)

四国 富岡西(徳島)

九州 長崎商(長崎)

選抜の記念大会という事もあり21世紀枠の枠数が見直され常時3枠に。また3ブロック「北海道・東北・関東」「北信越・東海・近畿」「中国・四国・九州」から1校ずつ選出する制度に改正された。人間教育の面が評価された安房は3年連続となる関東からの選出。成章は3年連続東海推薦、華陵もまた2年連続中国推薦だが2校とも近年の好成績が評価され選出となった。この年で未選出地区は近畿のみに。

 

安房(千葉2位/関東初戦敗退)

○2-0 城北

●3-4 宇治山田商

成章(愛知4位)

○3-2 駒大岩見沢

●2-3 平安

華陵(山口1位/中国4強)

○1-0 慶応

●1-10 天理

初日から安房と成章が登場し勝利。これに続くように華陵が関東大会準優勝の慶応に完封勝ちし3校初戦突破を果たした。後にも先にも21世紀枠の全校初戦勝利はこの年のみである。成章は久々の地区大会未出場校だったが、エース小川(ヤクルト)を擁し守り抜く野球を甲子園でも見せた。ただ好調な年であっても例年通りの打力不足で、エースが崩れるとそのまま大差という危うさは払拭し切れず。

 

2009年(地区推薦校)

北海道 北海学園札幌

東北 ◎利府(宮城)

関東 ▲身延(山梨)

北信越 村上桜ヶ丘(新潟)

東海 名張桔梗丘(三重)

近畿 ◎彦根東(彦根)

中国 呉宮原(広島)

四国 ▲土庄(香川)

九州 ◉大分上野丘(大分)

更なる制度の改良として東西で1校、残る地区から1校を選出するという現行の制度がこの年に確立した。一般枠まで後1勝だった利府、文武両道の古豪である彦根東が東西で選出。最後の1枠はこちらも文武両道で評価された大分上野丘となった。

 

利府(宮城1位/東北4強)

○10-4 掛川西

○2-1 習志野

○5-4 早稲田実

●2-5 花巻東

彦根東(滋賀2位/近畿初戦敗退)

●4-5 習志野

大分上野丘(大分2位/九州初戦敗退)

●3-7 箕島

利府は宜野座以来となる選抜4強(この年以降に2勝した高校はない)。エース塚本を中心に打でもビッグイニングを作るなどチーム力の高さを感じさせた。彦根東は悔しいサヨナラ負け、大分上野丘は中盤で大差を作られたが利府の快進撃で21世紀枠が再評価される流れとなった。

 

2010年(地区推薦校)

北海道 武修館

東北 ◎山形中央(山形)

関東 水戸桜ノ牧(茨城)

北信越 ▲新潟(新潟)

東海 刈谷(愛知)

近畿 ◉向陽(和歌山)

中国 ▲防府(山口)

四国 ◎川島(徳島)

九州 長崎商(長崎)

私立の台頭が目立つ県内において地元出身者の活躍が評価された山形中央。過疎化の地域で好成績を残した川島が東西で選出。最後は甲子園連覇の名門校である向陽が久々の甲子園出場となった。新潟や刈谷などの進学校もいたが今後の推薦に期待したい。

 

山形中央(山形2位/東北8強)

●4-14 日大三

川島(徳島3位/四国8強)

●2-3 大垣日大

向陽(和歌山2位/近畿初戦敗退)

○2-1 開星

●1-3 日大三

対戦相手である日大三は選抜準優勝、大垣日大は選抜4強と振り返ればくじ運が厳しい戦いとなった。その中で向陽は中国王者の開星に勝利し話題となった(敗戦後の開星監督が末代までの恥という発言を残した)。これは21世紀枠は一般枠と実力的に差があるという事を念頭に置いての発言だろう。次の試合で向陽は敗れたものの強力打線を3失点に抑え込み「実力の高さ」を証明してみせた。

 

2011年(地区推薦校)

北海道 ▲遠軽

東北 ◉大館鳳鳴(秋田)

関東 大田原(栃木)

北信越 ◎佐渡(新潟)

東海 松阪(三重)

近畿 守山(滋賀)

中国 ☆総合技術(広島)

四国 ◎城南(徳島)

九州 ▲西都商(宮崎)

模範的な活動が評価された佐渡、学校生活において部員がリーダーシップを発揮している城南が東西で選出。そして好成績を残した大館鳳鳴が最後の選出となった。落選した総合技術はその後の一般枠で中国3枠目として選出。

 

佐渡(新潟2位/北信越初戦敗退)

●1-8 智辯和歌山

城南(徳島1位/四国初戦敗退)

○8-5 報徳学園

●2-7 鹿児島実

大館鳳鳴(秋田1位/東北初戦敗退)

●0-8 天理

3校とも初戦が近畿の強豪と去年に続きくじ運に泣かされた。佐渡大館鳳鳴は完敗だったが城南は注目エースの田村(西武)を打ち崩し全滅を阻止。次の鹿児島実も後の西武の投手(野田)と対峙したが攻略できず。全体を通して投手力を発揮しきれなかった感が残る。

 

次回は2012年からの紹介になります。

大阪桐蔭の優勝で改めて来年の選抜一般枠を予想

こんばんは。

大阪桐蔭はやはり強かったですね…

ここで今年の大阪桐蔭を振り返ります。

通算で43勝2敗。横浜高校以来となる公式戦無敗は智辯和歌山に、校史3度目となる春夏連覇は下関国際に阻まれましたが新世代は無敗で締めくくりました。個人的に世代交代が遅れた(選手権で上位まで勝ち上がった)高校は秋に苦戦する傾向にあると思うのですが、大阪桐蔭は毎年スムーズに世代の切り替えができている印象です。西谷監督もやりくりが大変でしょうが来年も頑張って欲しいですね。

 

さて、神宮大会が終わりまして今年の高校野球は幕を閉じました。大阪桐蔭の優勝により神宮枠は近畿地区に付与される事となりましたが、それを踏まえて来年の選抜の一般枠を予想していきたいと思います。過去記事でも事前に予想しているので良かったらご覧ください。

nekotora.hateblo.jp

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◎確実 ○濃厚 ▲対抗 △僅か

 

・北海道1枠

◎クラーク国際

 

・東北3枠

仙台育英

◎東北

能代松陽

聖光学院

 

・関東5枠+比較枠

◎山梨学院

専大松戸

健大高崎

◎慶応

作新学院

○横浜(比較枠)

△昌平(比較枠)

 

・東京1枠+比較枠

東海大菅生

二松学舎大附(比較枠)

日大三(比較枠)

 

北信越2枠

◎北陸

敦賀気比

 

・東海3枠

◎東邦

常葉大菊川

大垣日大

加藤学園

 

・近畿7枠

大阪桐蔭

報徳学園

龍谷大平安

智辯和歌山

彦根総合

履正社

○高田商

△社

神戸国際大附

 

・中国2枠+比較枠

広陵

○光(比較枠or2枠目)

鳥取城北(比較枠or2枠目)

高川学園(比較枠)

 

・四国3枠+比較枠

◎英明

高松商

○鳴門(比較枠or3枠目)

▲高知(比較枠or3枠目)

 

・九州4枠

沖縄尚学

長崎日大

◎海星

◎大分商

こんな感じですね。北海道、東北、北信越、東海、九州は誰しもが同様の予想かなと思います。ただ聖光学院に関しては県順位・地域性ともに能代松陽と同等かつ今年の実績があるのでもしかしたら…というのはあります。

 

・選抜選考の争点(★予想難易度)

①★★★☆☆ 関東・東京の比較枠

②★☆☆☆☆ 近畿6.7枠目

③★★☆☆☆ 中国2枠目

④★★★★★ 四国3枠目

⑤★☆☆☆☆ 中国・四国の比較枠

①関東6枠目は横浜・東京2枠目は二松学舎大附が濃厚で、この2校の比較により横浜の選出を予想。懸念材料は既に関東が増枠されていることで、いつもの理屈が通じない可能性がある(関東偏重の枠バランスなど)。

 

②6枠目に戦績の良い履正社、7枠目に地域性で高田商と予想。兵庫2校も議題に上がると思われるが、奈良0校にしてまで兵庫2校を推すには戦績が足枷(コールド負け&初戦敗退)なのでそこまでしないと思われる。

 

③中国準優勝校の序列入れ替わりは歴史的にほぼ無い。ただ前例にはない逆転要素もある(光の決勝が大差かつ完封負け/鳥取城北が県1位など)。なので確定で光が2枠目とも言い切りにくく80%ぐらいかなと考える。

 

④全地区で一番難しい予想となりそうなのが四国3枠目。鳴門は公立校で県1位、高知は四国2勝かつ優勝した英明に惜敗という強みがある。共に古豪で今年の選抜に出場している実力校であるという点も含め比較は困難を極めそう。筆者は以前の記事で鳴門を予想しているがどちらでも納得できる。

 

⑤中国・四国の比較校がどういうパターンでも中国が比較枠を得ると予想。歴史的に比較枠はほぼ中国に渡っている上に、そもそも四国が増枠されているので2枠差をつける選考は考えにくい。唯一、四国4枠にする理由があるとするならば中国勢の近年の選抜成績の低迷だろうが、広陵神宮大会準優勝という事もあるので3枠ずつで無難に収まりそう。

 

次回の記事は2022年の高校野球ランキングにしようかと思います。

延期となった神宮枠の行方。鍵を握るのは社、神戸国際大附、高川学園。

こんにちは。

神宮大会決勝が延期となってしまったので、一般枠の予想記事の前に追加で「神宮枠」にクローズアップした記事を挟みたいと思います。

 

大阪桐蔭が優勝した場合

近畿6→7枠へ

大阪桐蔭(優勝/大阪1位)

報徳学園(準優勝/兵庫1位)

龍谷大平安(ベスト4/京都3位)

智辯和歌山(ベスト4/和歌山1位)

まずは近畿が神宮枠を得た場合は今年の選抜同様に7枠という大所帯になります。近畿ベスト4の4校は選出が確実なので、次にベスト8の4校の試合内容を見ていきましょう。

 

彦根総合(滋賀1位)

○4-2 近大新宮(和歌山2位)

●4-9 大阪桐蔭

 

履正社(大阪2位)

○10-2 瀬田工(滋賀2位)

●6-9 報徳学園

 

高田商(奈良2位)

○1-0 乙訓(京都1位)

●0-5 龍谷大平安

 

社(兵庫3位)

○13-7 天理(奈良1位)

●0-7 智辯和歌山

まず、「県1位+地域性◎」であり序盤に大阪桐蔭をリードする試合を展開した彦根総合の選出は堅いでしょう。春夏初出場というのもありますし、滋賀勢の一般枠選出は2018年が最後(今年の近江は補欠による繰り上げ)なのも踏まえると5枠目としての選出が濃厚です。

 

残り3校は仮に神宮枠が無い場合、落選も考えられる高校ですね。各校の選出に向けてのポイントをまとめてみます。

 

履正社

大阪桐蔭の活躍がプラスに?

・選抜での実績も良い(準優勝2回)

・打力の高さが府大会から際立つ

・反面、敗れた2試合は投手陣が不安定

・6枠の場合「私立」なのが気がかり

 

高田商

・近畿2試合で5失点と安定感を発揮

・しかし1得点の打力はマイナス

・奈良大会で智辯/奈良大と当たらず

・5年前は神宮枠の出場で秀岳館に大敗

・地域性では履正社、社より有利に

 

・甲子園を経験したメンバーが残る

・兵庫勢3校が近畿で爪痕を残す活躍

・初戦で奈良1位の天理を圧勝

・準々決勝のコールド負けは痛い

・連日の1位校との対戦で日程考慮は?

先に結論から言いますと「神宮枠が来るならば6.7枠の序列は不明ですが履正社と高田商の選出」が濃厚だと思います。理由はシンプルに「社がコールド負けだから」という消去法です。では、この2校の選出が崩される可能性があるとするならばどういう点でしょうか。

 

①奈良勢を含めた試合内容の比較

○天理12−2高田商●(奈良決勝)

○社13−7天理●(近畿初戦)

この2試合だけ切り取れば実力面で社>天理>高田商と考えることもできます。もちろん単純比較は都合が良すぎるのですが、甲子園常連校に対してここまでスコアに開きがあるというのは見過ごせないですね。

 

履正社/兵庫勢vs大阪桐蔭の比較

履正社0-7大阪桐蔭○(大阪決勝)

神戸国際大附3-6大阪桐蔭○(近畿初戦)

報徳学園0-1大阪桐蔭○(近畿決勝)

社と大阪桐蔭の直接対決は無かったのですが、残る兵庫2校が大阪桐蔭に善戦している事により兵庫勢のレベルの高さが社にプラスに働くかも…という考えですね。先程の例もそうですがこれが選考の決定打になるというものではないです。

 

③コールド負けも連日の試合で考慮?

去年の天理は準々決勝でコールド負けながら異例の選出。その理由の中に連戦である事も含まれていました(相手の大阪桐蔭が準優勝/県大会で勝利した智辯学園が優勝した事も追い風に)。その為、今回の社も同様の考慮がなされる可能性はあります。但し、相手もまた連日の試合という中で無得点に終わったのは痛いですね。コールド負けが投手陣の疲弊によるものならば、その分の打力のアピールは欲しかったところです。

 

以上の3項目が社にとって選考で有利になるかも?という点になります。次に初戦敗退校の中で少しでも可能性を見いだすなら…という事で神戸国際大附を紹介します。

 

神戸国際大附

・初戦で大阪桐蔭に3-6の惜敗

・県決勝も報徳学園に2-4の惜敗

・上記2校が近畿大会決勝カードに

・社との直接対決は6-1で勝利

・注目の好投手である津嘉山の存在

前提として兵庫3校選出は内規により不可能なので「社を上回る評価を得る」必要があります。そうなると県大会での直接対決の勝利、夏から大車輪の活躍を見せるエース津嘉山の存在が鍵となってきます。秋季大会で2敗を喫した相手はいずれも近畿大会決勝に進出する活躍ぶりで、この2敗の内容が実力の高さを証明しているように思います。

 

なので、社にしても神戸国際大附にしても当落は「敗れた試合のマイナスを含めどこまで実力を評価してもらえるか」に尽きると思います。地域性や県順位で有利に働くことは無いので、高田商や履正社以上に選抜で戦っていけると選考委員に認められるかどうかですね。

 

広陵が優勝した場合

中国2→3枠へ

広陵(広島1位/優勝)

光(山口3位/準優勝)

鳥取城北(鳥取1位/ベスト4)

 

四国→3枠のまま

英明(香川1位/優勝)

高松商(香川2位/準優勝)

中国が3枠になると広陵、光、鳥取城北で埋まりそうですね。決勝で大敗した光と準決勝で広陵に惜敗した鳥取城北の序列が気になりますが、神宮枠が来れば丸く収まるでしょう。そして四国は当然ながら3枠のままなので決勝の2校は選出でベスト4の2校がどうなるかというお話になってきます。

 

・四国3枠目の行方

鳴門(徳島1位/ベスト4)

高知(高知2位/ベスト4)

神宮大会に出場した英明に敗れた方は高知。2位通過ということで四国で2勝しています。鳴門は1位通過+公立校である事が強みですがシードなので四国は1勝止まり。戦績的には高知がリード、それ以外の要素は鳴門に分があるという事で正直難しいです。少し前の予想で筆者は3枠目を鳴門と予想していますので、よろしければこちらの記事も参考までに。

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・比較枠(中国4枠目or四国4枠目)

高川学園(山口1位/ベスト4)

※四国は高知or鳴門

そもそも中国4枠目が高川学園なのかというお話ですが、準決勝で同県の光に敗れた上にその光が決勝で広陵に13失点の大敗。地域性も相まって鳥取城北を上回るのは難しいので比較枠で可能性を見出すという展開になりそうです。しかし、その比較枠において高知も鳴門も高川学園より有利という状況(決勝2校が香川なので)。1位校で地区2勝という戦績においてはこの2校より上なので、選考委員がどちらの面を優位とするかですね。

 

ちなみに四国は2014年の明徳義塾を最後に比較枠を獲得できていません。過去に神宮枠を獲得した際も比較枠は中国に流れています。本来であれば「その地区の実力の高さが認められたのだから比較枠も取っていいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、それ以上に選考では県数と枠数のバランスが重視される傾向にあります。単純に中国は5県、四国は4県なのでその時点で四国が不利を受けるのは必然的なものとして比較枠は成り立っています。

 

今回は中国が神宮枠を獲得した時点で中国3四国3と枠は同数。果たして「バランス」を取るために中国に+1なのか「地域性」を考えて四国に+1なのか。筆者は後者になると予想しています。近年は中国の選抜成績が奮わず、2011年から8強入りもないという状況下で4枠目を与えるのは中々難しい決断というのも理由の一つです。そして鳴門も高知も今年の選抜での試合内容が良かったので、別世代とはいえ選考委員からの印象は良いんじゃないかと考えています。

 

次回は選抜の一般枠予想になります。

21世紀枠地区推薦予想(北信越/関東)+α

こんばんは。

21世紀枠予想最終回です。

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北信越 ◎氷見 ○伊那北 ▲飯田

全国の推薦校で唯一の県大会優勝校とななった氷見。実績は申し分ないものの、昨年は「前回の甲子園出場から期間が短い」事が懸念され県推薦を逃したと思われるのでその点は北信越推薦よりも先の選考での不安材料ですね。特色自体は際立った学校で少人数というのもウリになると思いますし、何より未選出県なのでこの実績で落選したらちょっときついですよね。

 

伊那北は今回の北信越進学校枠。過去に県内No.1進学校である長野高校が惜しくも最終3枠に残れなかった事もあり、長野からの選出も未だにありません。去年の松本深志の推薦といい進学校が元気な内に初選出といきたいところです。甲子園出場は氷見以上に遠ざかっているのでその点でこちらにという可能性も。

 

北越は私立、若狭は甲子園出場回数の多さや一般枠との絡みもあり恐らく可能性は低め。残る飯田を3番手としていますが、個人的には氷見と伊那北の一騎打ちを想定しています。

 

関東 ◎石橋 ○笛吹 ▲県船橋

地区内最多となる4校の私立校推薦。残る公立4校で検討していくと、過去2度の関東推薦という実績からも石橋が本命でしょうか。長らく甲子園から後一歩である進学校という21世紀枠の要素を詰め込んだような学校ですが、何故か2度の最終選考では補欠外(両年とも関東大会出場)でありプレゼン評価の低さが不安視されています。なので関東推薦に選ばれてもその先に関して要改善点があるという感じですね。

 

その他、笛吹は統合前の石和高校時代に1度の選抜出場。統合されて多種多様な学科を揃え特色の強みから対抗にしています。そして個人的に最終選考でどう評価されるか気になるのは県船橋ですね。戦績は16強(コールド負け)とギリギリのラインですが、激戦区千葉の進学校という事もあり最終選考に残った時のプレゼンも含め期待値の高い高校ではないでしょうか。

 

北海道 ◎立命館慶祥 ○滝川

北海道は道推薦=地区推薦なので12月9日に発表予定。ここ近年は公立校の推薦が続いていたものの今秋は8強がオール私立。なので4強+進学校の特色がある立命館慶祥を本命に、16強ながら準優勝の北海に善戦した公立の滝川(こちらも進学校)を対抗に。どちらが推されてもおかしくないと思います。ただ選抜確実なクラーク国際と滝川が同じ北北海道の空知予選の学校なので地域性の面で不利になるかもしれません。

 

次回は神宮大会終了後に改めて選抜予想(一般枠)の予想をしていきたいと思います。