21世紀枠地区推薦発表!各校の選ばれる理由、選ばれない理由を考えてみる。

こんにちは。

21世紀枠の地区推薦9校が発表されましたね。今回は各校の特徴と最終3枠へのポイントを考えていきたいと思います(下図は9校のまとめ)。

 

【北海道】稚内大谷

・地区大会

○3-1 士別翔雲

○12-2 枝幸

・道大会

●7-8 立命館慶祥(2回戦)

◎甲子園出場の無い名寄地区

×道大会16強&私立校

道大会4強の私立2校あるいは16強ながら北海に善戦した滝川の予想が多かったこともあり、個人的に今回の発表の中で一番驚いた学校ですね。北海道の最北端に位置する名寄地区は1度も甲子園出場がなく、毎年の道大会の地区代表校も苦戦続きで中々チャンスが巡ってきていません。

 

そういう地にあって稚内大谷は夏に3度の道大会準優勝。惜しくも甲子園に届かない実力校かつ悲願の地区初出場という要素が揃っています。しかし今秋は道大会未勝利と戦績のインパクトは弱めで、過去に土佐の1度しか選出されてこなかった「私立校」という事もあり厳しい評価になるのではと思います。

 

【東北】由利

・県大会

○3-2 秋田工

○7-0 西目

○6-1 男鹿工

○5-2 大館鳳鳴

○8-2 横手清陵

●2-8 能代松陽(決勝)

・東北大会

○9-5 弘前

●2-3 聖光学院(準々決勝)

◎東北大会1勝&聖光学院に惜敗

▲4年前の由利工(同市)選出が影響?

昨年の推薦校である大館桂桜は今年の由利と同成績で東北推薦が有力視されるも不祥事で推薦辞退。それでも好成績の候補を毎年揃えられるのが秋田の強みですね。県大会から安定した試合を重ね、選手権4強の聖光学院を相手に互角に渡り歩くなど甲子園で期待の持てる実力を有しています。

 

戦績的に不足はないものの、2018年に由利本荘市から由利工が21世紀枠にて選出されている事がどう影響するかポイントになりそうです。同じ市から絶対に選ばれないという事ではないですが間隔が5年と短いので。それでも秋田はプレゼンの成功率もそこそこですし他にマイナス点は無いと思います。

 

【関東】石橋

・県大会

○16-1 栃木

○10-2 烏山

○13-0 鹿沼商工

○3-0 上三川

●1-6 青藍泰斗(準決勝)

◎文武両道&長らく好成績

×過去2度のプレゼン低評価

栃木は関東最多となる7度目の地区推薦。今回の石橋は3度目の地区推薦(全国では4校目)となり、今度こそという思いは候補の中で一番強いでしょう。文武両道を推し進めながらも県内では後一歩の実力を長年維持。いかにも21世紀枠っぽい学校といえます。

 

ただ、1.2回目の関東推薦時には関東大会に進出していたこともあり戦績のインパクトはやや後退。それ以上の懸念材料はプレゼンにあります。去年は地区推薦校の中でまさかの候補最下位を争うほどの低評価で多くの人の予想を外した事は記憶に新しいと思います。過去の失敗を糧にできるかというのも選出可否を分けそうです。

 

北信越】氷見

・県大会

○10-0 高岡南

○13-1 桜井

○21-6 新川

○8-3 富山第一

○12-2 新湊(決勝)

北信越大会

○2-0 遊学館

●2-7 松商学園(準々決勝)

◎圧勝で県大会を制すなど実力No.1

◎地元部員&少人数など特色も際立つ

今回の21世紀枠の中で大本命は氷見だと思います。エースの青野くんは140kmに迫る直球を投げ込む好投手。打線も県大会で1試合平均12点を超える猛打で優勝と投打でスケールの大きさが際立ちます。地元部員の快進撃というのも推し所ですね。また学校の特色も農業系/水産系の両面を兼ね備えるなどアピールポイントになりやすいです。

 

まとめると選出要素が候補の中で一番多いです。その中で敢えてマイナス点を述べるなら富山は21世紀枠での選出がありません。昨年は選出の声があった連合チームが惜しくも落選(補欠入り)となり、故にプレゼン次第で評価がどうなるかという不安が大きいです。後は1993年に甲子園出場を果たしており出場ブランクがやや短い点ですね。

 

【東海】木本

・地区大会

○8-1 松阪商

○10-2 宇治山田

○8-1 松阪

●2-5 宇治山田商

●3-4 三重

・県大会

○5-1 伊勢

○11-0 久居農林

○9-0 白山

●1-8 三重(準決勝)

●1-5 海星(3位決定戦)

◎過疎地で地元部員主体の好成績

×県勢はプレゼンで7連敗中

三重は島根に並ぶ全国最多タイとなる9度目の地区推薦。しかし最終選考で落選を重ね未だに選出無しという現状が重くのしかかります。木本は過去に神宮大会準優勝などの実績を重ねるも甲子園に手が届かない学校です。過疎化が進む地域で上位進出というのは去年の候補である相可と重なりますね。

 

東日本の候補は先述した由利、氷見が地区大会に出場していることもあり戦績面の比較で一歩後退。その分のカバーも含めプレゼンで巻き返せるかに尽きると思います。

 

【近畿】小野

・地区大会

○32-0 三木東

○4-0 洲本実

・県大会

○4-2 市立西宮

○6-1 加古川西

○6-4 神港学園

●2-3 社(準々決勝)

◎文武両道で独自の練習法を導入

▲近畿8校は多すぎる?

兵庫は過去に洲本、長田、東播磨と3度の地区推薦を全て最終選出させるなど21世紀枠が得意な県。今年の小野も3校同様に文武両道が特色ですが、時折県大会の上位に顔を出す実力もあります。秋の戦績では他候補と比べて劣るものの6試合で10失点と守り勝つ野球を展開。兵庫のレベルも加味すれば甲子園でも善戦できそうです。

 

後は前例の少ない「近畿8校出場」となるかどうか。1998年に一般枠が8校だった年があるとはいえ、選出過多な印象が選考に影響するかがカギとなりそうです。一般枠と21世紀枠は別物という過去の明言があるので、それに倣うなら無関係なのかもしれません。

 

【中国】神辺

・地区大会

○7-5 英数学館

○7-6 市立福山

・県大会

○3-2 海田

○6-5 瀬戸内

○7-6 市立呉

●3-5 広島商(準決勝)

●0-15 広島新庄(3位決定戦)

・中国大会

●4-14 おかやま山陽

◎激戦区で地区大会出場

▲氷見、木本同様に未選出県

同じく地区大会に進出した三刀屋を退け、県勢11年ぶりの地区推薦に。近年甲子園に出場した瀬戸内、市立呉に勝利するなど県4位で中国大会進出の快進撃を見せました。その反面、広島新庄&おかやま山陽に大敗で上位陣に通じる一面を見せられず。

 

広島もまた21世紀枠の未選出県であり、ましてや11年ぶりのプレゼンという状況でしっかりアピールできるか気になりますね。

 

【四国】城東

・県大会

○8-1 城西

○14-2 徳島市

○9-0 阿波

●2-9 鳴門渦潮

●4-5 徳島商

◎石橋、小野と並ぶ文武両道

▲戦績で推すにはやや弱い

文武両道+少人数が城東の特色。四国大会に出場し1勝した4年前と比べると少し戦績は落ちるものの、3位決定戦で徳島商に互角の展開。戦前は女子校で野球部ができたのも2000年前後。早々から結果を残し続けるもまだ甲子園に届かない学校です。

 

【九州】高鍋

・新人戦

○6-5 宮崎第一

○7-0 日章学園

・県大会

○5-2 宮崎農

○2-1 日南学園

○2-1 延岡工

○6-1 小林秀峰

●1-9 宮崎商(決勝)

・九州大会

●0-2 明豊

◎西日本の候補で戦績No.1

×甲子園に10回(25年前)に出場

今年の候補の中で過去実績は抜けており10度の甲子園出場。近年は出場から遠ざかっていたものの、今年は九州大会に進出し上位常連の明豊と投手戦を演じるなど往年の活躍が蘇りました。とはいえ21世紀枠よりも一般枠で期待という学校に近いかもしれません。

 

特に甲子園の出場ブランクが25年というのは21世紀枠にとって黄信号。過去に磐城や土佐が同程度のブランクで選ばれている事例があるとはいえ、今回の候補の中で甲子園に出ているのは氷見と高鍋しかいないのでそこで差がつけられる可能性もあります。

 

【地区推薦→最終3枠選出率】

・北海道(4/22)※落選校は省略

2002 ◎鵡川

2012 ◎女満別

2013 ◎遠軽

2020 ◎帯広農

・秋田(2/4)

2003 大館鳳鳴

2011 ◎大館鳳鳴

2014 角館

2018 ◎由利工

・栃木(1/6)

2003 真岡

2006 ◎真岡工

2011 大田原

2017 石橋

2020 宇都宮

2021 石橋

・富山(0/3)

2008 富山中部

2017 富山東

2021 富山北部・水橋

・三重(0/8)

2003 神戸

2004 津西

2009 名張桔梗丘(辞退)

2011 松阪

2014 伊勢

2016 宇治山田

2020 近大高専

2022 相可

・兵庫(3/3)

2012 ◎洲本

2016 ◎長田

2021 ◎東播磨

・広島(0/4)

2005 賀茂

2009 呉宮原

2011 総合技術

2012 広島観音

・徳島(3/6)

2001 富岡西

2008 富岡西

2010 ◎川島

2011 ◎城南

2019 ◎富岡西

2020 城東

・宮崎(1/4)

2007 ◎都城泉ヶ丘

2011 西都商

2012 宮崎西

2017 高千穂

全体的に落選が目立ちますね。その中で近年は北海道/秋田/兵庫/徳島のプレゼン成功が目立っています。成功のノウハウを蓄積しているのはプレゼンにおいて強みですね。一方で栃木、宮崎は成功例こそあるものの10年以上前。残り3県は悲願の初選出に向けて前回の失敗をどう活かすかが問われています。

 

【個人的な3枠予想】

氷見

城東

木本

氷見は余程プレゼンでミスしない限りは大丈夫かなと。西日本は少人数&文武両道の両面を兼ね備える城東、残りは由利と木本で悩みましたがより21世紀枠としての要素が多い木本にしました。

 

次回はまた違う角度で21世紀枠について書いていこうかと思います。