延期となった神宮枠の行方。鍵を握るのは社、神戸国際大附、高川学園。

こんにちは。

神宮大会決勝が延期となってしまったので、一般枠の予想記事の前に追加で「神宮枠」にクローズアップした記事を挟みたいと思います。

 

大阪桐蔭が優勝した場合

近畿6→7枠へ

大阪桐蔭(優勝/大阪1位)

報徳学園(準優勝/兵庫1位)

龍谷大平安(ベスト4/京都3位)

智辯和歌山(ベスト4/和歌山1位)

まずは近畿が神宮枠を得た場合は今年の選抜同様に7枠という大所帯になります。近畿ベスト4の4校は選出が確実なので、次にベスト8の4校の試合内容を見ていきましょう。

 

彦根総合(滋賀1位)

○4-2 近大新宮(和歌山2位)

●4-9 大阪桐蔭

 

履正社(大阪2位)

○10-2 瀬田工(滋賀2位)

●6-9 報徳学園

 

高田商(奈良2位)

○1-0 乙訓(京都1位)

●0-5 龍谷大平安

 

社(兵庫3位)

○13-7 天理(奈良1位)

●0-7 智辯和歌山

まず、「県1位+地域性◎」であり序盤に大阪桐蔭をリードする試合を展開した彦根総合の選出は堅いでしょう。春夏初出場というのもありますし、滋賀勢の一般枠選出は2018年が最後(今年の近江は補欠による繰り上げ)なのも踏まえると5枠目としての選出が濃厚です。

 

残り3校は仮に神宮枠が無い場合、落選も考えられる高校ですね。各校の選出に向けてのポイントをまとめてみます。

 

履正社

大阪桐蔭の活躍がプラスに?

・選抜での実績も良い(準優勝2回)

・打力の高さが府大会から際立つ

・反面、敗れた2試合は投手陣が不安定

・6枠の場合「私立」なのが気がかり

 

高田商

・近畿2試合で5失点と安定感を発揮

・しかし1得点の打力はマイナス

・奈良大会で智辯/奈良大と当たらず

・5年前は神宮枠の出場で秀岳館に大敗

・地域性では履正社、社より有利に

 

・甲子園を経験したメンバーが残る

・兵庫勢3校が近畿で爪痕を残す活躍

・初戦で奈良1位の天理を圧勝

・準々決勝のコールド負けは痛い

・連日の1位校との対戦で日程考慮は?

先に結論から言いますと「神宮枠が来るならば6.7枠の序列は不明ですが履正社と高田商の選出」が濃厚だと思います。理由はシンプルに「社がコールド負けだから」という消去法です。では、この2校の選出が崩される可能性があるとするならばどういう点でしょうか。

 

①奈良勢を含めた試合内容の比較

○天理12−2高田商●(奈良決勝)

○社13−7天理●(近畿初戦)

この2試合だけ切り取れば実力面で社>天理>高田商と考えることもできます。もちろん単純比較は都合が良すぎるのですが、甲子園常連校に対してここまでスコアに開きがあるというのは見過ごせないですね。

 

履正社/兵庫勢vs大阪桐蔭の比較

履正社0-7大阪桐蔭○(大阪決勝)

神戸国際大附3-6大阪桐蔭○(近畿初戦)

報徳学園0-1大阪桐蔭○(近畿決勝)

社と大阪桐蔭の直接対決は無かったのですが、残る兵庫2校が大阪桐蔭に善戦している事により兵庫勢のレベルの高さが社にプラスに働くかも…という考えですね。先程の例もそうですがこれが選考の決定打になるというものではないです。

 

③コールド負けも連日の試合で考慮?

去年の天理は準々決勝でコールド負けながら異例の選出。その理由の中に連戦である事も含まれていました(相手の大阪桐蔭が準優勝/県大会で勝利した智辯学園が優勝した事も追い風に)。その為、今回の社も同様の考慮がなされる可能性はあります。但し、相手もまた連日の試合という中で無得点に終わったのは痛いですね。コールド負けが投手陣の疲弊によるものならば、その分の打力のアピールは欲しかったところです。

 

以上の3項目が社にとって選考で有利になるかも?という点になります。次に初戦敗退校の中で少しでも可能性を見いだすなら…という事で神戸国際大附を紹介します。

 

神戸国際大附

・初戦で大阪桐蔭に3-6の惜敗

・県決勝も報徳学園に2-4の惜敗

・上記2校が近畿大会決勝カードに

・社との直接対決は6-1で勝利

・注目の好投手である津嘉山の存在

前提として兵庫3校選出は内規により不可能なので「社を上回る評価を得る」必要があります。そうなると県大会での直接対決の勝利、夏から大車輪の活躍を見せるエース津嘉山の存在が鍵となってきます。秋季大会で2敗を喫した相手はいずれも近畿大会決勝に進出する活躍ぶりで、この2敗の内容が実力の高さを証明しているように思います。

 

なので、社にしても神戸国際大附にしても当落は「敗れた試合のマイナスを含めどこまで実力を評価してもらえるか」に尽きると思います。地域性や県順位で有利に働くことは無いので、高田商や履正社以上に選抜で戦っていけると選考委員に認められるかどうかですね。

 

広陵が優勝した場合

中国2→3枠へ

広陵(広島1位/優勝)

光(山口3位/準優勝)

鳥取城北(鳥取1位/ベスト4)

 

四国→3枠のまま

英明(香川1位/優勝)

高松商(香川2位/準優勝)

中国が3枠になると広陵、光、鳥取城北で埋まりそうですね。決勝で大敗した光と準決勝で広陵に惜敗した鳥取城北の序列が気になりますが、神宮枠が来れば丸く収まるでしょう。そして四国は当然ながら3枠のままなので決勝の2校は選出でベスト4の2校がどうなるかというお話になってきます。

 

・四国3枠目の行方

鳴門(徳島1位/ベスト4)

高知(高知2位/ベスト4)

神宮大会に出場した英明に敗れた方は高知。2位通過ということで四国で2勝しています。鳴門は1位通過+公立校である事が強みですがシードなので四国は1勝止まり。戦績的には高知がリード、それ以外の要素は鳴門に分があるという事で正直難しいです。少し前の予想で筆者は3枠目を鳴門と予想していますので、よろしければこちらの記事も参考までに。

nekotora.hateblo.jp

 

・比較枠(中国4枠目or四国4枠目)

高川学園(山口1位/ベスト4)

※四国は高知or鳴門

そもそも中国4枠目が高川学園なのかというお話ですが、準決勝で同県の光に敗れた上にその光が決勝で広陵に13失点の大敗。地域性も相まって鳥取城北を上回るのは難しいので比較枠で可能性を見出すという展開になりそうです。しかし、その比較枠において高知も鳴門も高川学園より有利という状況(決勝2校が香川なので)。1位校で地区2勝という戦績においてはこの2校より上なので、選考委員がどちらの面を優位とするかですね。

 

ちなみに四国は2014年の明徳義塾を最後に比較枠を獲得できていません。過去に神宮枠を獲得した際も比較枠は中国に流れています。本来であれば「その地区の実力の高さが認められたのだから比較枠も取っていいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、それ以上に選考では県数と枠数のバランスが重視される傾向にあります。単純に中国は5県、四国は4県なのでその時点で四国が不利を受けるのは必然的なものとして比較枠は成り立っています。

 

今回は中国が神宮枠を獲得した時点で中国3四国3と枠は同数。果たして「バランス」を取るために中国に+1なのか「地域性」を考えて四国に+1なのか。筆者は後者になると予想しています。近年は中国の選抜成績が奮わず、2011年から8強入りもないという状況下で4枠目を与えるのは中々難しい決断というのも理由の一つです。そして鳴門も高知も今年の選抜での試合内容が良かったので、別世代とはいえ選考委員からの印象は良いんじゃないかと考えています。

 

次回は選抜の一般枠予想になります。